Dialog Code
『過去にも未来にもとらわれない、“いま”を生きる哲学』和泉竜司 # Dialog Code
2025/06/18

「対話が変われば、スポーツはもっと変わるのか?」強くなるために必要なのは、トレーニングや技術だけではない。自分自身と向き合い、考え、気づくこと——それが次のステージへ進む鍵になる。『Dialog Code』—— アスリートたちの言葉から、その可能性を探るシリーズ。
今回登場するのは、和泉 竜司(プロサッカー選手・名古屋グランパス所属)。
さあ、彼の思考を紐解いていこう。

目次
1. 負けず嫌いは、少年団のミニゲームから
中山(Dialog Partner):
では、学生時代からお話ししていきたいと思います。サッカーとの最初の出会いで、記憶に残っている景色は何ですか?
和泉:
小学校のときにサッカーを始めたんですけど、自分が通っていた学校の少年団で、小学校のグラウンドでミニゲームをしていたのが今でもすごく記憶に残っています。少年団だったので監督が毎日いるわけではなく途中で来たり最後に来たりとか色々ありましたけど、自分たちでずっとミニゲームをやってたというのが、景色というか、自分のイメージとしてすごく残ってます。
中山:
それは小学何年生のころですか?
和泉:
始めたのは小学3年生とかなんで、そのくらいのときですね。
中山:
ミニゲームしてるときの記憶って、感情でいうとどういう記憶ですか?
和泉:
楽しいのと、あとはやっぱりそのときから負けず嫌いだったんで、すごく勝ちにこだわってた記憶はありますね。
中山:
そうなんですね。割と自然と「負けたくない」みたいな?
和泉
そうですね。特に父親が上手い下手関係なく「やるからには負けるな」っていうタイプで。父親も野球をやっていて根性論的なところがあったんで、気持ちだけは負けるなとか、小学生のときからよく言われてましたね。
中山:
この「気持ちだけは負けるな」、といういわゆる親からのアドバイスは子どもながらにどう思っていましたか?
和泉:
気持ちに関しては分かるというか、すぐに取りかかれることなのでそれは素直に受け止めていました。もともと負けず嫌いっていうのもありましたし、「やるぞ」って思ってましたけど、プレーのところに関してはあんまり言われたことはなくて。消極的なプレーや、自分でいかずに周りを使ったりすると「もっと自分で行け」とか、「シュート打て」とかは、小学生のときに言われていましたね。ただ、父親はサッカーをしていたわけではないので、細かいプレーについてはそこまでアドバイスとかはなかったですね。気持ちと姿勢をすごく言われてたのは覚えてます。自分のために言ってくれていたので、そこは素直に受け止めてました。
中山:
そうなんですね。親御さんからの関わり方や、言葉の影響みたいなのは多少なりともありそうですね。では、一番嬉しかったサッカーの若い時の出来事は何ですか?
和泉:
小学5年生の時に1つ上の学年のフジパンカップで三重で優勝して東海大会に出場したのは嬉しかった覚えがあります。普通の少年団で、東海大会に出れることは滅多にないのですごく記憶に残っています。
中山:
どういう部分が嬉しかったんですか?
和泉:
結果として三重県で優勝できたこと、そして東海大会に出場できたことが一番ですかね。
中山:
“普通の少年団”という言葉もありましたが、周りは驚きなどもあったのですか?
和泉:
そうですね。優勝したのは初めてですし、強い少年団とかではなかったので快挙というか、おおごとではありましたね(笑)
2. サッカー小僧にインストールされた“一喜一憂するな”
中山:
先ほど負けず嫌いという話も出ましたけど、悔しかった出来事で、一番若い時の記憶は何ですか?
和泉:
中学校のときですかね。中学1年の時って、小学校では高学年になるにつれて自分が中心になっていくじゃないですか。でも中学に上がると、いきなり中学3年の先輩たちがいる中でAチームにはなかなか入れない。それに加えて、オスグッドもあって痛みを抱えながらやっていたので、自分の思うようにプレーできない悔しさはありました。
中山:
中学1年生の段階で、3年生までいる中でAチームでやれてないことに、もう悔しさを感じていたんですね。
和泉:
膝の痛みで全力でやれない、自分の思い通りにできないというのが悔しさだったと思います。でも通っていたFC四日市は個人の技術を伸ばすクラブで、1年生だからこそできる練習もありましたし、個を伸ばすという意味ではいま振り返るとその1年間はすごく良かったなとも思っています。
中山:
当時は、上のカテゴリーでやりたい気持ちもあったんですよね。
和泉:
その思いはありましたね。一応、ナショナルトレセンとか、エリートプログラムにも選んでもらえてたんで、「もっと上でやりたい」という思いは人より強かったかもしれないですね。
中山:
そういう実績もあるからこそ、中学1年でトップに出られない悔しさは大きかったんですね。そういった評価もある中で、自チームでAチームにいられないことへのギャップとは当時どう向き合っていましたか?
和泉:
そうですね。でも練習自体はすごく楽しかったですし、モチベーションが落ちることはなかったです。Aチームではなかったですが、1年生の試合や大会、県のトレセンなどもあったので、目指すものが常にありました。中学1年で中学3年の試合に出るのは普通じゃないっていうのも理解してたので、「やれてないから落ち込む」っていう感覚はあんまりなかったです。その時にやれることをやっていたし、とにかくボールを触りたくて仕方なかったです。
中山:
本当に「サッカー小僧」だったというのと、大前提として「サッカーが好き」「ボールを触るのが楽しい」という感情があったんですね。
和泉:
そうですね。
中山:
僕自身はサッカーをやってても、実は楽しいって思ったことがあまりなかったんですよ。笑
和泉:
本当ですか(笑)練習がないときは、家の前の駐車場でドリブルしたり、リフティングしながら駐車場から玄関まで移動したりしてました。母が花が好きで花が飾ってある家だったので、リスクを背負いながらトライしてそれを壊したら怒られたりもしてました(笑)おじいちゃんの家に行くときもボールを持って行ってましたし、小中学生のときは本当にボールを常に触ってましたね。

中山:
ちなみに、どのタイミングでプロになりたいと本格的に思い始めましたか?
和泉:
本格的に思ったのは高校の時ですかね。本気でなるんだ、プロを意識して見始めたのはその頃からです。
中山:
白黒の絵に、色がついて鮮明になってきたのが高校の時なんですね。
和泉:
まさにまさに。なりたいから、なるんだに変化していった時期でした。
中山:
小学生のときにはフジパンカップで結果を出したり、中学でナショトレ、高校でも選手権優勝。学生時代にも多くの経験をされたと思いますが、和泉さんが今でも覚えているような、印象に残っている指導者の言葉はありますか?
和泉:
これはいろんなところで言ってますけど、高校のときの朝岡監督に言われた「一喜一憂するな」っていう言葉ですね。これは、高校から大学、プロになってからも常に意識しています。
中山:
それは高校1年のときから言われてたんですか?
和泉:
高校に入ってからもそうですけど、僕が3年生になったときに朝岡さんが監督になって。そのときにキャプテンも任されて、「お前は今年自分の結果よりも、チームのことを考えてほしい」と言われました。それまでは攻撃の選手でもあったので「自分が点を取ればいい」っていう、自分中心のプレーや考え方だったと思います。でもキャプテンになってからは、「チームが勝つにはどうすればいいか」「優勝するには何が必要か」っていうのをすごく考えるようになりました。
中山:
長いサッカーキャリアにおいて、キーワードとして残り続けているんですね。
和泉:
そうですね、自分の中では常に心の中で今でも持ち続けていますね。
中山:
「一喜一憂するな」という言葉は、その文字通りに理解をすることもできますが、敢えて和泉さんなりにこの言葉の意味を高校生に説明するとしたら、どうなりますか?
和泉:
嬉しいこと、ネガティブなことに左右されずに、いかに自分の目標を忘れずに行動できるか、ですかね。スポーツだけでなく、社会人でも、様々な感情が生まれると思いますが、呑まれると周りが見えなくなったりすることもあると思います。そういう時こそ、目標を見て、成長に繋げていくことですかね。結局「自分がどうなりたいのか」が一番大事だと思うので、時には歯を食いしばってやったり、嬉しいことがあっても満足せずに先を見ることかなと思います。
中山:
なるほど。和泉さんにとっての「一喜一憂するな」という意味は、自分の向かう先を見失わないために必要なこと、なんですね。
和泉:
まさにそうですね。下を向いても変わらないし、満足したらそこで終わりますよね。プロになった時も、その先を考えていました。選手権優勝も嬉しかったのですが、すぐ大学のことが頭の中にありましたからね。上に行くには必須な考え方だと思っています。
3. 整えて、出し切る。変わらない練習への向き合い方

中山:
ここまで過去を振り返ってきましたが、次に、最近の日々の挑戦だったり考え方にフォーカスしていきたいと思います。和泉さんが日々、練習に向かうときに意識的に取り組んでいることや、練習に対する準備として何かやっていることはありますか?
和泉:
体に関しては、チームでやっているモビリティであったり、練習前に中のトレーナールームで自分で準備をすることはよくありますね。ご飯を食べて家を出て、クラブハウスに着いたらシャワーを浴びて、準備してミーティングに出て、それから練習っていう流れが基本ですね。
中山:
体の準備に対する意識は高いんですね。例えば、移動中やシャワーを浴びているときに「今日の練習こうしようかな」とか考えたりすることはありますか?
和泉:
いや、考えたことないですね。練習メニューもだいたい分かってはいますけど、練習は常に100%でやるってことだけは常に意識してます。練習の中で、「この状況ではこうすればよかったな」とか、そういうことは考えますが、事前に「こうしよう」と考えて行動するっていうのはないですね。まずは自分のコンディションを整えて、練習に入ったら全力でやるっていう姿勢はずっと変わってないです。チームの雰囲気が良いときや悪いときで、自分の意識も少し変わったりします。例えば、雰囲気が少し悪いなって感じた日は、意識的に声を出したりなど、今日は少し意識しないとなって思ったりすることもあります。
中山:
なるほど。若手のときからその感覚は変わってないですか? 試合に出ている時期、出ていない時期含めて。
和泉:
そうですね。練習に関しては、自分の中では「その日の100%」しか意識してないですね。もちろん、いろんな監督がいて、いろんな練習メニューがある中で、練習によって意識しなきゃいけないことは変わってきます。でも、それは「練習の中で感じること」であって、練習に向かう途中で意識するということはないです。とにかくまずは自分の体を整えて、練習に入ったら100%でやる。それしか意識してきてないです。
中山:
なるほど、面白いです。では仮に課題や伸ばしたいところがある場合は、どのように取り組んでいますか?
和泉:
練習後の自主練はもちろんそうですが、いろんな練習がある中で必要だと思うことに対しての意識を高くすることだけですかね。シュートなのかトラップなのかとかはその時によって変わりますが。
中山:
それは時期で決めたりしていますか?また、意識することのテーマは1つに絞っているのか2〜3個持って練習していたりしますか?
和泉:
トラップに関しては感覚が調子によっても変わるので練習後に自主練を入れたりしますが、基本的にはその時の感覚や意識ということだけに目を向けて、それぞれ取り組んでいる感じなので特に絞ったりはしていないと思います。
4. いま考えるべきことを、考えられるか
中山:
そうなんですね。では、試合に関しても聞かせてください。試合前や試合前夜、あるいは移動中とかに、何か考えることってありますか?
和泉:
ん〜あんまりないですね。スイッチが入るのは、僕は基本ピッチに入ってからなんですよね。
中山:
おー、なるほど。
和泉:
本当に、そこまでは普段通りです。練習のときもそうですけど、シャワーを浴びて体を整えて、ウォーミングアップして入っていく。試合前から緊張することもあまりなくて、いつも通り過ごします。特に決まったルーティンというわけではないんですけど、自分の中での流れがあるので、それを普通にやってる感じです。自分の中で下からスイッチが上がってくるというか。
中山:
なるほど。例えば、フォワードの選手であれば試合前夜などでキーパーの特徴を見て「このシュートパターンあるな」とか考えることもありますよね。そういうのも、和泉さんの場合やりませんか?
和泉:
やらないですね。相手の情報はチーム内ミーティングなどでも情報提供されるのでそれは頭に入っていますが、個人で何か特別にやることはないですね。音楽とかも聞かないので(笑)
中山:
面白いです。他の選手と違う感じが、和泉さんのリアルですね。
和泉:
昔から音楽を聴くときはあったんですけど、自分の中でスイッチって感じたことはないですね。普通に移動中に音楽を聴いたりすることはありますけど、モチベーションを上げるために聴くってことはなかったです。昔からそんな感じですね。
中山:
そんな和泉さんが、今までで一番緊張した試合って何ですか?
和泉:
緊張した試合……あんまり「これ」って覚えてる試合はないですね。昨年のルヴァンの決勝は、武者震いというかすごく気持ちが高まってたのを感じましたけど、「緊張」とはちょっと違うかもしれないです。
中山:
では試合前のアップ中やロッカーで準備してるときは、頭の中で何を考えていますか?良い意味で何も考えていない感じとか?
和泉:
パッと浮かばないですね、何も考えてないかもしれないです。考えない性格かもしれないですね。そもそも、なるようになると思うタイプなんで。試合の前に、細かいプレーのイメージまではしてないかもしれないですね。
中山:
では逆に、ピッチに立ったときに、一気に頭をフル回転している感じですか?そのようにも聞こえたのですが。
和泉:
あー、そうですね。試合中は相手がいるので、相手によってプレーは変わります。基本的には「相手の嫌がるプレー」や「味方がしてほしいプレー」を意識してそれを考えています。勝ちたいっていう気持ちもありますけど、それよりも、具体的にどうやったら勝てるか、何をすべきかを具体的に考えています。
中山:
考えるべきことを、考えるべき時に考えている印象を受けました。この言語化は難しそうですが、「相手が嫌がること」や「味方がしてほしいこと」って、何で見極めていますか?
和泉:
各選手の特徴にもよりますが、細かく見ているかもしれません。相手味方の得意・不得意によってどうするかを変えます。相手味方の守り方や攻め方、試合の流れ、その日の調子、細かいところでは表情なんかも見ます。味方の状態も見て、きつそうなら助けるし、そういうことを常に考えていますね。試合は状況がどんどん変わるので、本当にその瞬間の判断の連続ですよね。だからこそ、自分の中では試合中に常に頭も体も動かしている感覚で、思考はクリアにするようにしています。
中山:
相手や味方の全体の動きだけでなく、個々の特徴や表情にも意識が向いてるってことなんですね。
和泉:
そうですね。相手にもウィークポイントはありますし、それが試合前から分かってる場合もあります。ただ、試合中に「今日は調子悪そうだな」「テンパってるな」って感じることもあるので、そういうときはそこを突くようにするとか。逆に味方がきつそうだったらカバーするなど、いろんなことにアンテナを張りながら、全部「勝つために」やっていますね。
中山:
和泉さんの話を聞いていると、プレー中に「いま考えるべきことを考えられるか」は改めて大切だなと感じました。逆に、事前準備やリハーサルをしっかりしても、試合中のネガティブな思考に引っ張られて”今この瞬間”に思考が向いていないのであれば本末転倒になってしまいますよね。和泉さんの場合は、いま目の前の状況にしっかり思考が向いている印象を受けました。
和泉:
まさにそうかもしれません。ミスが多い日とか、足がつかない日ももちろんあります。そういうときは、「今日は攻撃より守備で貢献しよう」と、思考を切り替えてプレーしてます。なるようになるということも言いましたが、「今日はこういう日だな」と割り切ってやることもあります。まさに一喜一憂しないということとも繋がる気がします。

中山:
その思考の切り替えはスムーズにいきますか?
和泉:
そうですね、僕はそこはスムーズにいきますね。
中山:
自分のことも考えて向き合いつつ、味方11人に対してもその目で見て考えているのは、和泉さんがキャプテンを任されている大きな1つの理由だと私には聞こえました。では、試合前、試合中の話を聞いてきましたが、試合後に何か考えたり振り返りなどはいかがですか?
和泉:
出ていた選手とこうだったねと話すようなことはしますが、個人的に全部試合を見返すってことはあんまりやらないですね。その試合が終わったら、次って感じで。もちろんミーティングで出てきたチームとしてこうしようという部分はありますが。それよりも、次の試合への準備に向かっていくタイプですね。
中山:
聞いていると、すごく過去のことよりも、現在や未来に思考が向いているんですね。
和泉:
そうですね、過去に対する興味というか、良い意味であまりないんですよね。選手権の優勝などもいまだに言われることもありますがもう終わったことだから、と思うんですよ。今とか、先を見るということは自分の中ではあるなと思います。
中山:
プロ1〜2年目と今を比較して、考え方とかで変わった部分はありますか?
和泉:
考え方という意味では、プロ1年目は本当に自分にとってターニングポイントでした。プロになるまではずっと試合に出てましたし、最初はプロでも出てたんですけど、夏ぐらいから監督が変わってそこから出られなくなって。でも、自分の中では「試合に出たい」っていう気持ちはすごくあったし、練習でもやれるっていう感覚はあったので、それでも出られない悔しさは大きかったですね。結果的にそのままJ2に降格してしまって、それをピッチの中じゃなくて外から見ていたのは、今でも覚えています。
やっぱり、「プロって、試合に出てナンボ」だなって、そのときに強く思いました。その後、風間さんが監督になっていろんなポジションもやるようになりましたけど、それもやっぱり試合に出ないと意味がない。チームを助けることもできないし、チームを勝たせることもできない。プロでやっていく上での厳しさを感じましたね。
本当にいい選手っていうのは、どんな監督でも試合に使われるんだなって。そういう選手にならなきゃいけないなって、そのときにすごく感じました。
そこからは、「よりチームのために」って思うようになりましたし、「試合に出ないと意味がない」っていうマインドに変わったので。勝負へのこだわりとか、サッカーをする上での気持ちは、そのときも今も変わってはいないですけど、1年目の経験は自分の中では本当に大きかったですね。
中山:
今と比較して何かが変わったというよりも、むしろそのときに気づいたことや得た考え方が、今もそのまま続いているという感じですね。
和泉:
そうですね、変わったことというより、それから変わらず持ち続けてきた考えですね。
5. 過去でも未来でもなく、“いま”を生き切る

中山:
最後に未来について聞かせてください。今日の話の中でも「一喜一憂しない」「満足しない」という言葉が印象的でした。その和泉さんは、引退する時にどうなっていたら満足されるのでしょうか?
和泉:
いや〜わからないんですよね、それが。ただ、やり切ったと思えたら、でしょうね。プロの世界は契約がないと続けられないので、やりたいからといって続けられる職業ではない。なので最後に仮に契約満了となればそれは受け入れると思います。ここまでの10年も正直2〜3年に感じるというか、本当に一瞬に感じるんですよね。なので、やはり1日1日を大切にして、1日でも長くプレーするために、日々やり切ったと思えるような時間を過ごしていきたいと思っています。
中山:
社会で言われるような、わかりやすいビジョンや、こういうゴールを達成したいとか、そういう未来の話というよりも、和泉さんの話を聞いていると、小さい頃からサッカーが楽しいって思っていた気持ちや、「今、1年でも長くサッカーをやっていたい」という“現在”の想いをとにかく積み重ねているように聞こえました。
和泉:
そうですね。
中山:
先ほど「過去ではなく、現在と未来ですね」と言いましたが、和泉さんはかなり“現在”を生きていますね。
和泉:
そうですね。別に、そんなに未来を見てるわけではなくて。日々の積み重ねでしかないと思うんですよね。リーグ戦もそうだし、そこはもう、「一喜一憂するな」が根本にあります。やっぱり日々、常に100%練習をやるとか、そういうのが大事だと思ってます。トレーニングだったり、ケアだったり。基本的には、矢印を自分に向けて、外じゃなくて常に内に向けてやることが大事だと思ってます。
サッカー選手って、時間があるので。その時間を遊ぶのか、それとも次の練習や試合に向けて使うのか。睡眠だったり、ご飯もそうですけど、本当に日々どれだけ細かいところにこだわれるかっていうのがやっぱり結果にもつながるし、長くやれる部分にもつながると思ってます。
そこはもう、早く気づいた選手や、それをやり続けられる人が生き残っていく世界だと思っています。
中山:
そうですね。
和泉:
いろんな人がいる中で、こうやって今もやれているありがたさも感じます。でも、もっともっと自分はやれると思ってるし、やりたいと思ってます。そのために必要なことは、これからもしっかりやりたいなと思っています。
中山:
なるほど。非常に“現在”という時間に対して貪欲で、「今の自分に納得できるか」「こだわれるか」というところが、和泉さんの哲学というか思想なんだということが、聞いていてすごく伝わってきました。非常に面白いお話でした。
和泉:
ありがとうございました!

答えは、すぐには見つからないかもしれない。
それでも自分と向き合い、考え続けることが、次の一歩をつくる。
思考を解き明かす対話は続く。
『Dialog Code』——次は、誰の思考に触れようか。
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