Dialog Code
『外向きの集中──優勝を導く思考と熱量』町田浩樹 # Dialog Code
2025/10/1

「対話が変われば、スポーツはもっと変わるのか?」強くなるために必要なのは、トレーニングや技術だけではない。自分自身と向き合い、考え、気づくこと——それが次のステージへ進む鍵になる。『Dialog Code』—— アスリートたちの言葉から、その可能性を探るシリーズ。
今回登場するのは、町田浩樹(プロサッカー選手・TSG Hoffenheim所属)。
※インタビュー実施日:2025年8月20日(リーグ開幕前)
さあ、彼の思考を紐解いていこう。
1. 鹿島スタジアムの横で刻まれた歓喜と悔しさ
中山(Dialog Partner):
サッカーとの最初の出会いで、特に印象に残っている景色や体験は何ですか?
町田:
景色というより、実は最初はサッカーをやりたくなかったんです。理由は分からないんですけど、やらず嫌いで。ただ親が共働きで仕事をしていたので、その間に何か習い事をさせなきゃいけないってことで、無理やり連れて行かされたのを覚えています。でも、一度練習に参加したらすごく楽しくて。それ以来は、幼稚園のサッカークラブでプレーしていたことが自分にとっての最初の景色として強く残っていますね。
中山:
最初はやりたくなかったというのは意外で、とても興味深いです。
町田:
そうですね。なぜかは分からないんですけど、やってみたらすぐに気持ちが変わりました(笑)
中山:
他に興味を持っていたスポーツや、実際にやっていたものはありますか?
町田:
4歳か5歳くらいだったので特になかったと思います。
中山:
実際にサッカーを始めてみて楽しいと思えたのは、どんな部分だったのでしょうか。
感情として覚えていることはありますか?
町田:
いやー、そこまでは正直覚えてないですね。それまで仲間と何かやる経験がなかったので、ただただ楽しかったんだと思います。
中山:
なるほど。では、サッカーを始めてからの一番古い記憶で嬉しかったことは何ですか?

町田:
幼稚園のあとに小学校のクラブに入ったんですけど、鹿島アントラーズの試合前にスタジアム横のグラウンドで大会があって、その大会で優勝したときですね。優勝すると鹿島の選手のサイン入り賞状がもらえたんです。
中山:
何が嬉しかったのでしょうか?
町田:
やっぱり優勝できたことですね。あと、子供だったので選手のサイン入りの賞状がとても嬉しかったんだと思います。
中山:
プロの選手を間近に感じられた特別な経験でもあったのでしょうか?
町田:
そうですね。鹿島スタジアムの横で大会をして、そのあとに試合を観に行くのが定番だったんです。頻繁に大会があって、観戦とセットになっていて。それがサッカーを好きになっていったきっかけだったのかなと思います。
中山:
初めて鹿島とのつながりが芽生えた体験とも言えそうですね。
では、一番悔しかった古い経験は何ですか?
町田:
それも同じ大会ですね。決勝で負けることもありました。実は今、僕のマネジメントをしてくれている千葉とは中学・高校でも鹿島で一緒にプレーしたんですけど、小学校時代はその大会でいつも決勝で当たるライバルでした。お互いに優勝を奪い合うような関係で。
中山:
当時からお互いに認識していた関係だったのですか?
町田:
僕らが勝つこともあれば、彼らに負けることもあって。負けたときは本当に悔しかったですし、本当に毎回決勝で当たっていたので強烈に印象に残っています。「またあいついるぞ」みたいな感じで(笑)
中山:
小学生にとっては、良い争いの場になっていたんですね。その千葉さんが今では町田さんのマネジメントをされているというのは、なんだか不思議で面白いご縁ですね。
2. 冷静沈着の中に宿した炎──“熱量”の意味

中山:
幼稚園からサッカーを始めて、小中高と競技を続けてこられた中で、指導者から受けた言葉で今も特に印象に残っているものは何ですか?
町田:
ユースの時に言われた熊谷浩二さんの「熱量」という言葉を、今でもすごく大事にしています。やっぱり高校3年間は自分にとって大きかったですね。人としてもサッカー選手としても、一番成長できたのは高校時代だと思います。
中山:
「熱量」ですか。詳しく聞かせてください。
町田:
僕自身はそこまで熱さを前面に出すタイプではなくて、どちらかというと冷静にプレーしたい人間なんです。でも熊谷さんからは、「熱量を持ってプレーすることで周りを巻き込めるんだ」と強く教えられました。
中山:
たしかに町田さんのプレースタイルは今でも冷静沈着という印象があります。当時からそういうタイプだったのでしょうか?
町田:
そうですね、感情を表に出すようなタイプでもありませんでした。これは後から聞いた話ですが、わざとキャプテンを任せてチームを引っ張る存在になってもらおうという意図があったみたいです。高校2年生のときにユースのキャプテンを半年間やったんですけど、それもリーダーとして成長させる狙いがあったそうです。
中山:
冷静さが持ち味だったと思うのですが、その「熱量」という言葉を当時どのように受け止めて、自分の中に取り入れていったのでしょうか?

町田:
頑張って熱量を出そうとはしていたと思うんですけど、「自分の性格はそういうタイプじゃないしな」とも思っていたので、「自分は自分のままでいいだろう」という面と、「もっと熱量を出していかなきゃ」という両方の気持ちがありましたね。
中山:
その葛藤、アンバランスさはとてもリアルで興味深いです。
町田:
そうですね。当時は「分かるけど分からない」という感覚で、ある種の迷いは常にありました。
中山:
今振り返っても、その「熱量」という言葉は残っているわけですね。現在の町田さんにとって、この言葉はどんな意味を持っていますか?
町田:
プロに上がって、今は海外でプレーしていますし、鹿島でもタイトルを取って、昨年はベルギーで優勝も経験しました。その経験を通して思うのは、熱量や周りを巻き込む力がなければ「優勝できるチームにはならない」ということです。優勝できる雰囲気を作り出せるのは熱量だと思います。
仲間を巻き込むだけでなく、サポーターやスタジアム全体の雰囲気も含めて巻き込む。1つのプレーや1つの振る舞いで流れを変えられる。鹿島でタイトルを取った時は、僕自身はあまり試合に出られていなかったんですけど、先輩の小笠原満男さんなどの振る舞いを見て強く感じました。ベルギーで優勝した時も、やっぱりこういう振る舞いが大事なんだと身に染みて実感しました。
中山:
なるほど。町田さん個人という枠を超えて、チームとして優勝する。そのためには仲間もサポーターも巻き込む力が必要で、そこに「熱量」が欠かせないということですね。
3. ドイツでの準備と映像が映す二つの役割
中山:
普段の練習では、事前にどのような準備や考えを持って取り組まれていますか?
町田:
身体の準備については、鹿島時代やベルギー時代は練習前に自分でストレッチや筋トレ、体幹トレーニングなどをしていました。でもドイツに来てからはチームとしてメニューが組まれていて、練習前の1時間ほどをフィジカルコーチが個別に作ってくれるメニューを毎日こなす形になっています。
中山:
それは全員共通のものではなく、選手ごとに違うメニューがあるのでしょうか?
町田:
そうですね、僕専用のメニューがあります。今まで自分でやっていたルーティンもあったんですけど、今は一旦はチームの方針に従って取り組んで、シーズンを通して自分の身体と向き合いながら調整していけばいいかなと思っています。
中山:
これまでのご自身のルーティンと比べると、どのような違いがありますか?

町田:
結論、中身はかなり違いますね。今は重りを使ってガシガシ鍛えるタイプで、爆発力を高めるような内容です。以前は自重やゴムチューブを使った補強やバランス系が多かったので、だいぶシフトしました。
中山:
それは選手からすると大きな変化ですよね。現状はどう感じていますか?
町田:
疲労感はあるんですけど、今は試合が週1なので負荷を上げても大丈夫だと思っています。ベルギーの時はヨーロッパリーグもあって週に2試合であることが多かったので、そこまで強度を上げられなかったのもあります。なので今の新しいサイクルに合わせる形でやれている感覚はあります。
中山:
なるほど。新しい挑戦としても取り組めているのですね。練習において「個人の守備力」と「チーム全体の守備」、どちらを意識する時間が多いのでしょうか?
町田:
ん〜そうですね。練習の中ではチーム戦術がすべてです。個人の守備に特化したトレーニングはほとんどなくて、チーム全体として落とし込まれたものを身体に染み込ませていく作業ですね。
中山:
では、自分自身の課題を解消するときはどうされていますか?映像分析や自己感覚、指導者からのフィードバックなど、様々あると思いますが。
町田:
僕は映像が多いですね。試合映像を見て「ここはこうだったな」と確認して、次に改善します。悪かった時は映像を見なくても分かっているので、どちらかというと映像は自分の感覚と、実際のところの確認作業の意味合いが強いですね。
中山:
映像を見る際、特にどのようなポイントに注目していますか?
町田:
今はチームから自分のプレーだけを切り抜いた映像が送られてくるので、それを10〜15分ほど見ます。それに加えて、チームとしてうまくいかなかった場面はフル映像に飛んで確認することもあります。自分が関わっていないシーンでも、「なぜプレスがはまらなかったのか」「なぜパスが引っかかってカウンターを受けたのか」といったシーンを見ますね。
中山:
なるほど。ご自身だけでなく、チーム全体で起きた課題にも目を向けているのですね。気づきなどはどのように整理していますか??
町田:
特に書いたりはせずに、自分で頭に入れる感じです。
中山:
分析はもともと好きだったのでしょうか?
町田:
昔は全然好きじゃなかったです。それこそ日本にいる時はほとんど観なかったんですけど、ヨーロッパに来てからは他のリーグや日本人選手の試合も観るようになって、段々と好きになりました。最近のサッカーは組織的かつ戦術的なので、本当に面白いです。
中山:
映像を観ることの価値について、町田さんご自身はどのように考えますか?
町田:
現代サッカーは戦術が多様化していて、不規則な動きや可変システムを使ったり、セットプレーでも特殊なトリックを仕掛けてきたり。相手がどういう意図で動いているかを理解して適応するための予習になります。それが、映像を観る大きな価値だと思います。
中山:
事前予習として、映像を活用するのは現代サッカーに欠かせないかもしれませんね。

4. 「いつも通り」で挑む理由──100%の哲学
中山:
試合前日の夜はどのように過ごされていますか?
町田:
特にルーティンはなく、ご飯を食べてYouTubeを観て寝るくらいです。サッカー以外のバラエティ番組などを観ますね。
中山:
試合のことを考えたりはしませんか?

町田:
前日は試合のことは考えないですね。サッカーは22人がプレーするのでシミュレーションしても実際にはやってみないと何が起こるかわからないので。もちろん相手の情報や戦術は頭に入れるんですけど、前日に考え込みすぎることはないですね。考えると寝られなくなってしまうので、できるだけリラックスして過ごします。
バスに乗るまでは普段通りで、そこから少しずつ試合モードに入っていく感じです。僕は集中には2パターンあると思っていて、自分にこもるパターンと外に広げるパターン。サッカーはチームスポーツなので、外向きの集中が良いと思っています。
中山:
内向きではなく、外向きの集中。
町田:
はい。前日は深く入り込まずに、移動中やスタジアムに着いてから景色や雰囲気を感じながら徐々に集中していきます。
中山:
スタジアムに着いてからは、どのような意識で試合に臨みますか?
町田:
「今日こうしてやろう」と思うよりも「いつも通りやろう」という気持ちが強いです。僕の場合「こうしてやろう」と思っている時はあまりいいプレーはできていないんですよ。なので、練習でやってきたことを「いつも通りやる」ことを意識しています。
中山:
なるほど。練習で積み重ねてきたものを、試合でどれだけ自然に出せるかという思考なのですね。
町田:
そうですね。僕はその方が大事だと思っています。よく「120%出しましょう」と言う人がいますけど、僕は120%は出せないと思っているタイプなので。100を持っていたら100を出す。そこを意識していますね。
中山:
その日の100%をどう発揮するかが重要だということですね。町田さんは「いつも通りやろう」と思うことで純粋にそのモードになれますか?例えば、今まで経験したことのないステージでの試合においては、それが難しくなるということはありますか?
町田:
そのモードで入って、相手のレベルが高いとなると自然に相手のレベルに順応しようとするので、僕はそこでよりモードに入れる感覚があります。やってやろうという気持ちで格上のレベルに合わせにいくより、いつも通りやりつつ、でもそれでは足りないからそこに合わせなきゃという気持ちでやった方が、いいパフォーマンスが出る感覚があります。
中山:
なるほど。あくまで結果的に、105%を引き出されることもある、という感覚でしょうか?
町田:
まさにそうですね。100%のつもりでも、相手によっては105%になっていることはあると思います。
中山:
より強い相手と戦う時に「怯む」のではなく、逆にモードが上がるというのはどういう感覚でしょうか?
町田:
ん〜...頭の回転が上がっていく感覚ですかね。身体だけではついていけないときに、頭をフルに使って予備動作で先に動けたり。そういう試合の後は頭が疲れて眠れないこともあります。強い相手とやって「意外とやれたな」と思える試合は、頭をしっかり使えていた感覚です。
中山:
なるほど。思考も身体もフル回転することで、より高い集中状態に入れるのですね。
5. 最悪を想定し、リスクを制する思考

中山:
チームとしてやられる瞬間、または個人でやられる瞬間もあると思うのですが、やられた瞬間から次のプレーまでの間はどんなことを考えていますか?
町田:
鹿島時代は失点が怖い時期がありました。でもその時が一番パフォーマンスが悪かったんです。大岩剛さんに「センターバックは失点シーンに映っていなければならない。それが仕事だ」と言われて考え方が変わりました。ミスや失点を恐れるより、自分の力を発揮できない方が問題だと気づいたんです。
中山:
ミスを怖がることで自分の力を発揮できないことが多かったんですね。
町田:
そうですね。ディフェンスは失点に絡むのが当然で、そこにいないといけない。それを“仕事”と考えるようになってから、怖さがなくなってプレーが良くなりました。その上でチームの勢いを落とさないために、あえて大袈裟に鼓舞したりもします。
中山:
その大袈裟な鼓舞は、自分の思考を変えるようなアクションでもあるのでしょうか?
町田:
そうですね。ヨーロッパに来てからはより演じるようにもなりました。別に大袈裟にやらなくてもいいと思うんですけど、あえて大袈裟に演じることで「熱量」が周りに波及しますし、それに対してヨーロッパのサポーターは喜んでくれたり、盛り上がってもくれます。自分の思考も変わりますしね。
中山:
なるほど。では、町田さんの守備の哲学も伺いたいのですが、ミスをしないこととリスクを取ることはどちらが近いですか?
町田:
守備ではリスクを取りませんね。常に最悪を想定して動きます。逆に攻撃ではリスクを取ることはありますね。
中山:
攻守で完全に思考を分けているのですね。
町田:
そうですね。例えばボールを奪いに行くときに足を出して相手とガチャガチャとなって相手と入れ替わってしまうシーンがあると思うんですけど、僕はあれもリスクだと思っていて。そうならないような足の出し方をして奪いにいくとか、そのようなリスクヘッジを常に考えてやっています。
中山:
細かい場面でも常に最悪のケースを想定されているのですね。では、攻撃面ではどうでしょうか?
町田:
攻撃の方がリスクを取っています。「通るかな?」と思って出したパスはだいたい取られるので、「通れ」と思って刺すようなイメージです。僕の感覚としては、緩いパスを出して奪われた時の方が相手がいい状態で次に繋げられてしまうので、強い縦パスを刺すことで、仮に相手にカットされてもボールが大きめに跳ねたり相手がコントロールできない。なので、リスクを取ると同時に、実はリスクを減らす感覚でもありますね(笑)
中山:
なるほど。強い縦パスにはそういう意図もあるのですね。とても面白いです。

町田:
あとは、日本代表には強い縦パスを受けられる選手がいるので、ズバズバ縦パスを刺していましたし、仲間からも「どんどん刺してくれ」と言われていました。
中山:
面白いです。では、守備で最も大切なのは「予測」と「反応」のどちらだと思いますか?
町田:
どちらか選ぶなら僕は「予測」ですね。予想ではなく予測。相手のボールの位置や顔の向き、周りの状況を含めて判断するのが予測。それが大事だと思います。
中山:
なるほど。では90分間の守備を支える上で大切なのは「集中力」なのか「修正力」なのか、どちらでしょうか?
町田:
これは難しい質問ですね。考える時間が欲しいです...もちろんどちらも必要ですが、周りに修正力のある選手がいれば僕は「集中力」に意識を置きます。例えば、代表だと田中碧や守田(英正)くんは修正力が高いので、そこは彼らに任せられます。
中山:
なるほど。ご自身だけでなく、仲間との関係性も含めて考える視点は面白いです。では、プロとしてのキャリアも長くなってきた中で、プロ1〜2年目のころと比べて考え方で一番変わったところはどんなところですか?
町田:
一番大きいのは「自分はもっとやれる」という考えです。プロ入りしたばかりの頃は、周りの選手が本当にすごくて、「自分はまだまだだな」と感じることが多かったんです。でも今は、もちろん相手もすごいけれど「自分もここでやれる」「もっとやれる」と考えるようになっています。これはやっぱり経験を重ねてきたからこそ感じられることだとも思います。
中山:
その思考の違いは、どのような部分に影響を及ぼしていると思いますか?
町田:
例えばですが、ヨーロッパの選手って、いい意味で“勘違い”しているんですよね。シュートが得意じゃなくても遠い位置から打ったりして、でもそれが入ってしまうこともある。日本人はすごく謙虚で、自分がどの程度できるかを理解しすぎてしまうがゆえに、自分で自分に蓋をしてしまうところがあると思います。海外の選手は自信を持っているからこそ「もっと上へ」と思える思考になっているんじゃないかと感じます。
中山:
なるほど。より高みを目指すためには、そうした思考も必要かもしれませんね。
町田:
そうですね。ただ、謙虚さや客観視できることは日本人の良さでもあるので、最終的には両者のバランスが大事だと思います。
6. 「勝たせる力」──優勝への終わりなき挑戦

中山:
最後に未来についても聞かせてください。これからどんな選手になっていきたいですか?
町田:
これからというよりは常に思っていることですが、「勝たせられる選手」になりたいです。これは周りのレベルや環境が上がれば上がるほど難しさは増していくと思っています。Jリーグの終盤で「勝たせられる選手になれた」と感じてヨーロッパに来ましたし、ベルギーで3年やってまたそう思えたのでドイツに来ました。これからも自分のプレーでチームを「勝たせられる選手」になることは一番大事にしています。
中山:
この「勝たせられる選手」を分解すると、どういう要素が含まれていますか?
町田:
もちろん技術や身体の強さもそうですし、チームに波及する何かを与えられる存在や雰囲気もある意味では勝たせられる選手だと思っているので、そのような総合的なところを含めて「勝たせられる選手」だと思っています。
中山:
プレーでの体現と、それ以外のコミュニケーションや在り方、姿勢も含めてということですね。
町田さんが、次の世代に引き継いでいきたいものはなんですか?
町田:
いやー、引き継ぎたくないですね。まだまだ競争相手として見ているので(笑)それが本音です。
中山:
なるほど。まだ何かを残す段階ではなく、今は全員がライバルであるという感覚なんですね。
町田:
そうですね。そこはまだ考えられないです。30代になったら、また違う気持ちが出てくるかもしれませんけど。
中山:
では、サッカー選手として、そして一人の人間として、これから手にしたい世界や見てみたい景色はどんなものですか?
町田:
やっぱりW杯は直近の大きな舞台として必ず出たいですし、チームとして「優勝」を目指したいです。W杯に限らず、どんな場でも「優勝」したいという気持ちは強く持っています。鹿島の時も、ベルギーでも優勝争いを経験してきました。
今所属しているホッフェンハイムは中堅クラブですが、それでも優勝を目指す気持ちは変わりません。その経験をチームに還元できると思いますし、やっぱり優勝というのは格別なので、何度でも味わいたいと思っています。
中山:
どのクラブにいようとも「勝たせられる存在」であり続け、チームを優勝に導くことが、町田さんの大きなテーマなのですね。
これまで積み重ねてきた経験と哲学を、これからさらに大きな舞台でどう発揮してくれるのか、本当に楽しみです。本日は貴重なお話を聞かせていただき、ありがとうございました。
町田:
ありがとうございました!

答えは、すぐには見つからないかもしれない。
それでも自分と向き合い、考え続けることが、次の一歩をつくる。
思考を解き明かす対話は続く。
『Dialog Code』——次は、誰の思考に触れようか。
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