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Dialog Code

『「やるべきことをやる」から始まった自分との対話』坂本聖芽 # Dialog Code

2025/05/07

「対話が変われば、スポーツはもっと変わるのか?」強くなるために必要なのは、トレーニングや技術だけではない。自分自身と向き合い、考え、気づくこと——それが次のステージへ進む鍵になる。『Dialog Code』——アスリートたちの言葉から、その可能性を探るシリーズ。

今回登場するのは、坂本聖芽(プロバスケットボール選手・名古屋ダイヤモンドドルフィンズ所属)。
さあ、彼の思考を紐解いていこう。


目次

1.「やらされたバスケ」から始まった僕の原点

中山(Dialog Partner):
では、さっそく始めていきましょうか。最初に、聖芽さん(坂本)のルーツを聞かせてもらえればと思います。バスケットボールを始めたきっかけは、何でしたか?

坂本:
きっかけは、父親ですね。もともと父がバスケをやっていて、誘われる形で始めたんです。…でも、これは毎回話してるんですけど、僕はずっと「やらされた」って感じてて(笑)一方で父は、「お前がやりたいって言った」と言うんですよ。だから、実際のところどっちだったのか、いまだによく分かってないんです。

中山:
なるほど(笑)では、ご自身としてはやらされたって感じだったんですね。

坂本:
そうです。当時は本当にそう思っていました。

中山:
ちなみに、お父様はずっとバスケをやってたんですか?

坂本:
いえ、社会人になってから始めたみたいです。それまではバドミントンをやっていて、しかも実業団までやってたらしいんです。かなり本格的だったみたいですね。で、ある時から急にバスケを始めたそうです。当時流行っていたNBA選手のジョーダンとか、そういう世代で憧れて始めたって言ってました。

中山:
すごいですね、バドミントンもガチ勢で、そこからバスケに転向って。

坂本:
そうなんですよ。僕自身はバドミントンをやったことはないんですけど(笑)

中山:
バスケを始めた当初、何に「やらされてるな」って感じていたんですか?

坂本:
そうですね。練習もちょこちょこ参加してましたけど、試合を見ているのがめちゃくちゃ退屈で。母親に「帰りたい帰りたい」って、ずっと言ってました。それが今でもすごく記憶に残っていて。あの頃から「本当に自分は乗り気じゃなかったんだな」と、今になって思います。練習も最初は見学ばっかりで、早く終わらないかなって思ってました。

中山:
なるほど(笑)そんな時期を経て、いつ頃から自分の意思で「楽しい」とか「やりたい」と思うようになったんですか?

坂本:
小学校2年生の時ですね。自分ができなかったことが、初めてできるようになったときにすごく嬉しくて。それまでは左手のドリブルとかシュートが全然できなかったんです。でも、ある日うまく決められて、コーチから「すごいじゃん、上手くなったね」って言われて。そのときに「あ、楽しいな」って感じたんです。そこからもっと上手くなりたいと思うようになりましたし、純粋に楽しんでいました。

中山:
できなかったことができるようになったことと、コーチからのフィードバックが大きかったんですね。

坂本:
はい。そこからは純粋に「もっと上手くなりたい」って、夢中でやっていましたね。

中山:
では、小学2年生あたりから本格的にスイッチが入った感じですね。その後、バスケをしていて一番若い時期の「嬉しかった出来事」って何ですか?

坂本:
小学校4年生のときに、4年生大会という4年生以下の大会があったんです。それまで何度か大会に出ていたんですが、すぐに負けてしまって、なかなか勝てなかったんですよ。でもその時は、ずっと「優勝したい」って思っていて。ところが大会1週間前にインフルエンザにかかって、練習もできず…。試合当日にギリギリ回復して出場することになったんです。

中山:
それはなかなかハードですね。

坂本:
はい。でも、とにかく「勝ちたい」気持ちが強くて。病み上がりだったんですけど、たぶん普段以上のパフォーマンスが出せたんじゃないかと思います。その時、チームとしてもすごくいいプレーができて、初めてその大会で優勝できたんです。もう嬉しすぎて、試合後に泣いたのを覚えています。あれが人生で初めて、バスケで泣いた瞬間でしたね。

中山:
それはすごいですね。小学4年生で「優勝して嬉しくて泣く」のは、中々ない体験だと思います。

坂本:
はい。自分でも「こんなに嬉しいことがあるんだ」って思いました。あれ以来、勝って泣くというのはないですね。最初で最後の(笑)

中山:
悔しい思いと嬉しい思いの両方を経験してきたんですね。


2.伝統校での敗戦と、自分の在り方を肯定された瞬間

中山:
そうして嬉しい体験や悔しい体験も味わってきた中で、「一番悔しかった若い頃のバスケの記憶」って何ですか?

坂本:
中学校での経験が一番悔しかったですね。関東大会でベスト4をかけた試合があって、それに勝てば全国大会(全中)に行けるっていう大事な試合だったんですけど、そこで負けてしまったんです。

中山:
それは相当悔しかったでしょうね。その試合って、どんな流れだったんですか?

坂本:
相手チームとは何度も試合をしていて、練習試合でも対戦していたので、ある程度どういうプレーをしてくるかも分かってたんですよ。でも、お互いに手の内は分かってる中で、最初は自分もチームも良い流れで入れたんですけど、後半にかけてズルズルと点差が開いていって、最後は大差で負けてしまって。

中山:
なるほど。

坂本:
僕、中学の時に群馬から埼玉に転校したんですけど、その埼玉のチームが本当に良いメンバーで、仲も良くて、「絶対全国行こう」って話してたんです。だからこそ、あの試合の負けは今でも悔しさとして強く残ってます。あと一歩のところで負けたのが悔しいし、関東大会は出て当たり前、全中でもベスト4などに入る伝統のある学校だったので全中すら出れないというショックが印象に残っています。

中山:
全国大会常連の伝統あるチームだったんですね。

坂本:
はい。そういう「出て当たり前」くらいの空気があったので、なおさらショックでしたね。「自分たちの代で出られなかった」っていうのが…。

中山:
それだけ思い入れのあるチームだったからこそですね。では、そういう経験も含めて、今の聖芽さんに一番影響を与えた「言葉」って何ですか?

坂本:
高校のときの監督に言われた「自主性を持て」っていう言葉です。すごくシンプルなんですけど、自分にとってはすごく大事な言葉です。

中山:
それを言われたことで、何か自分の中で変化があったんですか?

坂本:
いや、実は行動自体は変わってないんです。元々、時間があればバスケのために何かしてるようなタイプだったんで。でも、その姿勢を監督に評価してもらって、「あ、これでいいんだ」って自信を持てたというか、「やっぱり大事なんだな」と気づかされたんですよね。

中山:
なるほど。もともと自分から動くタイプだったんですね。

坂本:
そうですね。言われて動くタイプじゃないし、自分で言うのもなんですけど、勝手にやってました(笑)でもその「勝手にやってること」「好きでやっていること」こそが自主性なんだなって、あの言葉で再確認できたんです。

中山:
客観的に聞いていて、自主性がなかった人が言われて刺さった、なら理解しやすかったのですが、そもそも自主性があった聖芽さんにその言葉が刺さった理由が気になります。何が刺さったんでしょうか?

坂本:
結局、やる人はやるしやらない人はやらないと思ってて。好きじゃないと続かないし、どれだけ自分の目標に熱量を注げるかだと思ってます。僕が見てきた中でも、自主的にやってきた選手たちが、プロになってるんですよ。先輩にも同期にも後輩にもそういう人がいて、「やっぱりそうだよな」って今になって改めて思います。


3.武器はディフェンス、課題はオフェンス

中山:
では、現在プロとしてプレーされている中で、バスケにおけるご自身の「強み」だと思う部分はどこですか?

坂本:
ディフェンスですね。これはもう、誰にも負けないっていう自信があります。

中山:
それを実際にプレーの中で、どう活かされてると感じてますか?

坂本:
僕がコートに入ることで、相手の得点が抑えられる場面が増えますし、良いディフェンスから速攻につなげて、チーム全体が良い流れに乗れることが多いと思います。良いスティールができたりすると、自分もどんどん調子が上がっていきますし。そういうポジティブなエネルギーをチームに還元できるのが、自分の役割かなと。

中山:
なるほど。逆に、今「一番足りない」「伸ばしたい」と感じている部分ってどこですか?

坂本:
オフェンスですね。具体的に言えば3ポイントシュートはもっと安定させたいですし、毎回対話の中でも話していますがポイントガードとしての役割も、もっと磨かないといけないと思っています。コート上の監督って言われるくらいの、判断力とか良いプレーコールとか、そういう部分はもっとしていかないとと思ってます。

中山:
例えば試合前とか、大事な場面を迎える前って、どんなことを考えてますか?

坂本:
僕はあんまり考えすぎると良くないタイプなんです。頭がパンクしちゃうというか、余計なことまで気にしちゃうので。だからもう、「自分のやるべきことに集中する」っていう、すごくシンプルな思考に切り替えてます。

中山:
なるほど。その「やるべきことをやる」っていう思考になることで、プレーにはどんな影響があると思いますか?

坂本:
気持ちの整理がつきやすくなりますね。「ああなったらこうしよう」とか「こうなったらこう対応しよう」とか、そういう応用的な考えもあるにはあるんですけど、まずは「自分がやるべきことをちゃんとやる」っていうのが土台にあることで、落ち着いてプレーできるんです。

中山:
考えること、考えないことを意図的にやっているようにも聞こえました。試合中に「考えすぎてうまくいかなかった」みたいな経験は、これまでにありますか?

坂本:
ありますね。例えば、以前は「こうしたい」「あれがしたい」と優先順位を間違えたり、自分のエゴが前に出すぎてしまって、それが結果的にチームの流れを悪くしてしまったことがありました。「まずやるべきことをやる」っていう基本が抜けてしまっていたんですよね。結果、プレーの判断が良くなかった。

中山:
優先順位の違いや、エゴに気づいたきっかけは?

坂本:
試合のビデオを見返しての振り返りですね。自分のプレーを客観的に見たときに、「ポイントガードの仕事してないな」と思ったんですよね。本来の役割からズレて、自分の欲とか感情に流されていたことに気づけました。それがきっかけで、「やるべきことに集中する」っていう思考に戻ってきました。


4.「やらないこと」が失敗──挑戦に意味を見出した今の自分

中山:
そういう客観的な振り返り、大事ですよね。試合中に「自分がよくない状態だな」って思うとき、ネガティブなセルフトーク、望まない思考が出ることがある選手もいますが、聖芽さんは頭の中ではどんなセルフトークが浮かびますか?

坂本:
正直、そんなことばかりですね(笑)ディフェンスでやられたり、ミスをすると、ついネガティブなことが出てきますよね。それは試合中にもあります。

中山:
試合中にも出てくるんですね。そのとき、どのように自分と向き合っていますか?

坂本:
まずは、「ミスしたことはもう変えられない」って割り切って、次のプレーに集中するようにしています。それでも切り替えられないときは、ベンチでモヤモヤしてしまうこともあるんですけど、そういうときこそ、「じゃあ次はこうしよう」って即座に考えて、ゲームを分析して、頭の中を整理してますね。

中山:
昔から、そのように切り替えができていたんですか?

坂本:
いえ、本当に最近ですね。それこそ、中山さんとセッションを重ねていく中で、「そういうネガティブな思考になるのも、仕方ないよね」って言ってもらったことで、受け入れられるようになったというか。ミスはつきものだし、落ち込むのも当たり前。だからこそ、「まずは受け入れる」っていう視点に気づかされました。一旦受け入れるからこそ、次に向けての思考に変えられるようになってきているな、と感じますね。

中山:
自然に受け入れられたことで、自分への向き合い方が変わってきているんですね。では逆に、調子が良い時や、プレーがすごくうまくいってる時は、どんな思考がありますか?。

坂本:
実は、逆に何も考えてないんですよね(笑)本当に「無」って感じで、何があったかも思い出せないくらい。考えてプレーしてるっていうより、自然と体が反応してるような感覚です。

中山:
身体の方が爆速で自動処理しているみたいな。完全に無意識のゾーンに入ってる感じですね。

坂本:
はい、まさに。

中山:
そういう状態って、心身がすごく整ってるときに起きるものですよね。では、普段バスケ以外の時間に、バスケのことを考えることはありますか?

坂本:
なるべく考えないようにはしています。でもやっぱり、ふとしたときに思い出すことはありますね。試合翌日だけは、しっかり整理する時間を作ってます。それ以外は、あまり考えすぎないようにしてます。

中山:
なるほど。それはオンとオフを切り替える意識があるから?

坂本:
はい。プロになってからは特にそうですね。もちろん、ずっとバスケをやれてるのはありがたいことなんですけど、やっぱり気持ちも休めたい部分があるので。やるときはしっかりやる、休むときは全力で休む。そうやってオンオフを意識的に作るようになりました。それでも、不意に出てきてしまうことはありますけどね(笑)

中山:
気を休めたいと思いながらも、不意に出てくることもあるんですね。

坂本:
ありますね。特に、調子が良くないときとか、ミスした場面が頭に浮かんでくることが多くて。

中山:
そういう時は、どうしていますか?

坂本:
基本的には、向き合うようにしています。頭に浮かんできたことや感じていることを、ノートに書き出すことが多いですね。試合前後に、「今こんなふうに思ってる」とか、「次はこうする」って整理しておきます。そうやって処理することで、引きずらずに次へ進めるようにしています。

中山:
向き合って整理するっていうスタンスなんですね。考えないようにしようなどと、無理に封じ込めたりはしないと。

坂本:
そうです。無理に押し込めると、逆に頭から離れなくなったりするので。それよりはちゃんと整理して、気持ちの処理をすることが大事だと思ってます。

中山:
確かに、臭いものにフタをしても、フタをしたまま時間が過ぎていくというのはよくある話ですよね。結局臭いまま、という。

坂本:
まさにそれです(笑)だから向き合うことの大切さを、ここ最近本当に感じてます。

中山:
ここからは少しテーマを変えて、「思考の変化」について聞いてみたいんですけど、聖芽さんの思考に影響を与えた言葉や気づきってなんですか?

坂本:
そうですね。たまたまSNSで見た「失敗することがダメなんじゃない、挑戦しないことが失敗だ」っていう言葉がすごく刺さったんです。自分に当てはまってるなと思って。

中山:
それが自分に当てはまったと感じた理由って何ですか?

坂本:
それこそ去年のシーズン、自分の苦手なことや、練習で取り組んできたことに対して、試合になると避けていたというか…。やってきたのに試合では出せずにいました。そういうことが多くて、どこかで失敗を避けていたんですよね。

中山:
なるほど。練習してきたことを「試合でやらない」こと自体が、もったいないと感じた?

坂本:
そうです。特にシュートって、1ヶ月2ヶ月で劇的に上手くなるものじゃないし、何年もかけて身につけていくものだと思ってて。やらないと勿体無いし、外すこと自体が失敗じゃなくて、練習してきたのに「やらないこと」が失敗だって、自分の中で価値観がガラッと変わった感じです。

中山:
裏を返せば、挑戦することが成功だ、っていう考え方になったんですね。

坂本:
はい。今はそれを思考のベースに置いています。もちろん、今後もっと高いレベルでやっていくときには、また別の基準が求められるかもしれないけど、今の自分にとっては、「挑戦すること」自体を価値あるものとして捉えることがすごく大切だと思ってます。

中山:
挑戦すること自体が成功だっていう考え方に変わったことで、実際にプレーにも変化はありましたか?トライする量への変化などは?

坂本:
ありましたね。試合で、これまでだったら「やめておこう」って思ってた場面で、ちゃんとトライできるようになってきたと思います。まだまだ課題はありますけど、自分の中では明らかに違いを感じています。

中山:
思考の変化って、行動にも大きな影響を与えますよね。

坂本:
本当にそうですね。もともと、自己啓発系の本も好きで読んでたんですけど、その言葉が特に自分に刺さったというか、今の自分にドンピシャで当てはまってる感じでした。


5.“仲間を気持ちよくプレーさせる”という当たり前であったはずの発見

中山:
では、少しテーマを変えて…今、Athdemyのような外部のDialog Partnerとセッションを重ねる中で、プレーや思考にどんな変化がありましたか?

坂本:
まず大きいのは、「自分の思っていることを安心して話せる場」があることで、すごく心がスッキリします。そして、セッションを通じて、自分が気づかなかったことに気づかされたり、自分に対してもっとできることが見えてくるっていうのは本当に大きいです。その結果、色々試したり、次の試合に臨む際の思考を決めたりした結果、うまくいった試合もある。でもやっぱり一番は、感じきれなかった部分、気づききれていなかった部分が拾われるところだと思いますね。

中山:
印象に残っているセッションや気づきってありますか?それこそ、自分でも振り返りなどをしていた聖芽さん、つまり自分との対話をしてきたタイプだと思いますが、外部との対話を介す違いを感じたセッションなどはありましたか?

坂本:
あります。中山さんとのセッションの中で、「仲間を気持ちよくプレーさせる」っていうテーマが出てきたとき、自分でも話しながら「あ、これめっちゃ大事だ」って思ったんです。プレーコールの話をしていた流れで自然とその言葉が出てきて、「いや、マジでこれだわ!」って思ったんですよ(笑)

中山:
僕もそれ、すごく印象に残っています。2月頃でしたよね。言った瞬間に顔がパッと明るくなって、「いや、マジでこれっすわ!」って(笑)妙に興奮していましたよね。

坂本:
あの瞬間は、ほんとにビビッときました。ノートにも大きく書いてますし、今でもプレーの中で意識しています。

中山:
でもあれは、僕が言ったというより、聖芽さんが自分の中から出してきた言葉でしたよね。僕からの問いに対して、話している中で自分で答えを見つけた感じというか。

坂本:
そうですね。誰かに聞かれたことで自分の中から言葉として出てきたんだと思います。その「問いがあること」で、気づけた感覚がすごくありました。

中山:
僕もあのセッションは、すごく“らしい”時間だったなと思っています。僕の役割は、何かを教えるというよりも、「問いを用意すること」なので、あの様に勝手に気づきが生まれる瞬間は最高なんですよね。

坂本:
あの瞬間、めちゃくちゃテンション上がりました(笑)自分の中にあったけど、出てこなかった思考が引き出された感覚でしたね。

中山:
良い時間でしたよね。あれは、「本人に考える力がない」わけではないと思っていて、異なる種類の問いを持つ対話のパートナーがいるから生まれることだと思っています。化学反応によって、深層から表面化するという。

ここまでのお話を聞いていて、聖芽さんは本当にいろんな気づきや変化を自分の中で起こしてきたんだなと感じました。ここから未来の話に少し移っていきたいんですが──今後、聖芽さんが目指している選手像は、どんなイメージですか?

坂本:
そうですね、今後どのチームに所属しているかはわかりませんが、「このチームにこの選手は絶対必要」と思われるような、そんな選手になりたいです。いなきゃ困る、いなきゃダメだと思われる存在になりたいですね。

中山:
チームにとっての“必要不可欠な存在”ですね。

坂本:
はい。あとはずっと言ってるんですけど、「ベストディフェンダー賞」はキャリアの中で一度は取りたいです。それを目指してやっていきたいです。

中山:
以前からおっしゃっていましたよね、「ディフェンスなら誰にも負けない自信がある」と。

坂本:
そうですね。あと、やるからには、やっぱりトップ(ベストディフェンダー賞)を目指したいですね。

中山:
では、競技人生を終えたあと──バスケという人生を振り返って、「どんな選手だった」と言われたいですか?

坂本:
うーん…やっぱり「ディフェンスがすごかった」と言われたいですね。ただ、「ディフェンスだけだったよね」じゃなくて、「オフェンスも良かったけど、やっぱりディフェンスは飛び抜けていたよね」って、6:4くらいで言われるのが理想です(笑)

中山:
なるほど、割合までしっかり(笑)面白いですね。

坂本:
あとは、対戦した選手から「(ディフェンスに)付かれて嫌だった」とか「こいつとやるのしんどかったな」と思われるような選手になりたいです。

中山:
すごく聖芽さんらしいですね。ではもう少し広い話をすると、競技の枠を越えたところで、将来的にバスケ以外でやってみたいことってありますか?

坂本:
やりたいことは沢山ありますね(笑)前にも少し話したことがあるんですけど、古着が好きで、そういうお店をやってみたいなって気持ちはあります。あとは、今こうしてトップレベルのバスケを経験できてるからこそ、地元でバスケスクールとかもやってみたい。そういう形で、バスケの経験を還元していきたいなと思っています。

中山:
すごくいいですね。バスケで培ったものを、また次の世代に伝えていくような。

坂本:
はい。ただ、古着の方はまだ全然勉強できてないので、ちゃんと学ばなきゃなと思ってますけど(笑)

中山:
大丈夫です、できなかったことは、やればできるようになりますから(笑)小学2年生のときに、できなかった左手のドリブルやシュートができるようになったみたいに。

坂本:
ほんと、それですね(笑)


6.言葉もプレーも“圧”がある

中山:
では最後に、聖芽さんが「自分のプレーを通じて、どんなことを伝えたいか」──観ている人にどう感じてもらいたいかを聞かせてもらってもいいですか?

坂本:
一番はやっぱり、「エナジー」ですね。圧倒されるような、観ている人の心を動かすようなエネルギーを感じてもらえたら、すごく嬉しいです。

ディフェンスでは特に、自分の持っているものを全力でぶつけてるので、「何か感じてくれたらいいな」じゃなくて、「感じさせるくらいのプレーをしたい」と思ってます。

中山:
なるほど。観ている人に“圧”として届くようなプレー。

坂本:
はい。あとは、ボールを持ったときに「この人、何してくるんだろう?」ってワクワクしてもらえたら嬉しいですね。ただ止めるだけじゃなくて、そういう魅せる部分も、ちゃんと持っていたいと思っています。

中山:
なるほど。実は僕、聖芽さんの試合を初めて生で観戦したとき、まさにそれを感じたんですよ。ディフェンスの“切れ味”というか圧というか、「めっちゃ来るなこの人」って、素人目でもすごく伝わってきて。

坂本:
ほんとうですか?それはめちゃくちゃ嬉しいです!

中山:
話は逸れますが、それで思ったんですよ。「このエネルギー、コートで体感したいな」って(笑)僕もディフェンスにはちょっと自信あるんで、今度対面で1on1でやってみたいですね。お互い攻めずに、ディフェンスだけするという(笑)

坂本:
それめっちゃ面白いですね(笑)2人でひたすら守って終わるやつ(笑)

中山:
そういう面白さも含めて、バスケの魅力がもっと広まるといいですよね。バスケを見たことがない人にも、聖芽さんのプレーを通じて何かを感じてもらえたら嬉しいなって思います。

坂本:
本当にそうですね。自分のプレーが、観る人にとって何かのきっかけになったら最高です。

中山:
というわけで、今日は本当に濃密な話をありがとうございました!言葉も、思考も、プレーも、全部がつながってる聖芽さんの話、めちゃくちゃ面白かったです。

坂本:
こちらこそありがとうございました!


答えは、すぐには見つからないかもしれない。
それでも自分と向き合い、考え続けることが、次の一歩をつくる。

思考を解き明かす対話は続く。
『Dialog Code』——次は、誰の思考に触れようか。


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