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Dialog Code

『“準備”と“伝える力”──その先にある日本ホッケーの未来』及川栞 #Dialog Code 

2025/10/15

「対話が変われば、スポーツはもっと変わるのか?」強くなるために必要なのは、トレーニングや技術だけではない。自分自身と向き合い、考え、気づくこと——それが次のステージへ進む鍵になる。『Dialog Code』—— アスリートたちの言葉から、その可能性を探るシリーズ。

今回登場するのは、及川栞(ホッケー選手・タカラベルモント所属)。
さあ、彼女の思考を紐解いていこう。


 1. 得点の瞬間とスティックの音──気づけば、ホッケーがそばに

中山(Dialog Partner):
ホッケーとの最初の出会いで、景色として覚えているシーンは何ですか?

及川:
3歳の時に幼児用のスティックを引きずりながら中学生の中に小さい自分がポツンといて、その周りに母がいる。そんな感じです。母がホッケーの指導者だったのでついて行って、そこにいる中学生に遊んでもらっていた記憶があります。

中山:
自然とホッケーの環境にいた記憶が残っているのですね。

及川:
そうですね。一人っ子だったので、両親の大会にもよくついて行っていました。

中山:
最初にプレーした時の記憶はどうですか?

及川:
ないですね(笑)

中山:
では、一番嬉しかった出来事は何でしょうか?

及川:
得点を決めた時ですね。今はハイタッチが多いですが、当時はスティック同士を「ガチャガチャ」と当て合って喜んでいて、それがすごく嬉しくて楽しかったのは覚えています。

中山:
それはいつ頃の記憶ですか?

及川:
小学校4年生の頃で、本格的に少年団に入った時期ですね。

中山:
得点の喜びが大きかったということですが、特に嬉しさを感じたのはどのような部分でしょうか?

及川:
やっぱり自分で得点を決めることです。当時は得点した人が輝くと思っていて、自分が点を獲ってなんぼという意識が強かったと思います。あと、得点すると仲間が一斉に駆け寄ってきてくれることもすごく好きでした。

中山:
なるほど。自分が活躍している実感と、それを仲間と分かち合える喜びがあったのですね。

及川:
そうですね。

中山:
一方で、若い頃で一番悔しかった記憶は何ですか?

及川:
本当に楽しんでいたので特にないんですよね、悔しい記憶とかって。切り取って考えれば、できなかったことや試合に負けたことはあるかもしれないですが、大きな悔しい経験としては本当にないんです。

中山:
なるほど。幼少期や学生時代で、悔しさやそれを乗り越える体験のような感覚はあまりなかったのでしょうか?

及川:
そうですね。高校の時にインターハイに出られなかった経験はありますが、インターハイに出られなかったからとかではなく、悔しさとして残っているのは純粋に勝てなかったという結果だけです。

中山:
結果そのものが強く印象に残っているのですね。先ほども「過去に大きな悔しさはなく、楽しんでいた」と仰っていましたが、小さい頃から楽しんで取り組んでいた印象が強いのでしょうか?

及川:
はい。高校までは楽しさの方が大きかったですね。しんどさを感じたのはマラソン大会に駆り出された時くらいで(笑)ホッケー自体でしんどいと感じたことはなかったです。

中山:
当時、具体的にどのようなところに楽しさを感じていたのでしょうか?

及川:
まずは自分で点を獲れるところですね。岩手県ではホッケー部のある高校は2校しかなかったので、それによって注目を浴びることもできました。私は小さい頃から人前で何かをするのが好きで、例えば発表会などがあると真ん中で踊るのが好きだったんです。親にも「目立つのが好きだった」と言われていましたが、人前で披露して「わーっ」と言ってもらえるのがすごく嬉しかったんですよね。

中山:
なるほど。他の競技は経験されていましたか?

及川:
小さい頃はバレエやピアノ、英会話、水泳もやっていました。

中山:
その中で、最終的にホッケーを選ばれたのですね。

及川:
両親が教員だったので、私が一人で過ごす時間を減らすためにいろいろな習い事を経験させてもらったのですが、その中でやりたいと言ったものはすべてやらせてもらっていたんです。中学生になりどの競技を続けていくかを決める段階で、最後までクラシックバレエと迷ったんですが、バレエは車で送り迎えが必要で、通いやすさを考えてホッケーを選びました。

中山:
クラシックバレエとも迷っていたのですね。先ほどの「人前で目立つのが好き」というお話とつながりますね。

2. "国際基準"の練習──今日のベストを出し続ける思考

中山:
学生時代を振り返って、印象に残っている指導者や大人からの言葉はありますか?

及川:
高校時代は特にありませんでした。母がホッケー関係者だったこともあってか、私自身にはあまり厳しく言わず、かなり自由にさせてもらっていた感じでした。周りから見てもそういう環境に見えていたと思います。

中山:
なるほど。では、ご自身からお母様に質問するようなことはあったのでしょうか?

及川:
自分から積極的に聞くことはあまりなかったです。ただ、母から「こうしたらいいんじゃないか」とアドバイスをもらうことはありました。それに対して父は「首を突っ込みすぎない方がいい」と言ってくれていたので、両親の間でちょうどいいバランスを取ってもらっていた感じですね(笑)

中山:
なるほど(笑)お母様がアドバイスをくれることに関して、及川さんはどう捉えていましたか?

及川:
ホッケーの話をしながらご飯を食べることが普通で、当時はそれが特別だとは思っていませんでしたし、嫌だなみたいな気持ちもなかったです。今振り返ると、母が指導者としていてくれたことはとても恵まれた環境だったと感じますね。

中山:
そんな中、プロを意識し始めたきっかけは何かあったのでしょうか?

及川:
実は「プロを目指そう」と強く意識したことはなかったんです。高校から大学に進学して、大学時代に日本一を取れなかったことで「まだ続けよう」と思いました。本当は大学で日本一になってホッケーをやり切り、地元に帰ろうと考えていたんですよね。

中山:
そうだったのですね。明確に「プロになるために頑張ろう」と考えていたわけではなく、ホッケーが好きで楽しんできた延長で、「日本一を経験できなかったから続ける」という選択につながったのですね。

及川:
日本一を経験してからでないとやめられないと思ったので、社会人でも上を目指すチームに進むことを決めました。

中山:
面白いです。それが、結果的に日本初のプロ選手の道につながったのですね。では、最近の練習や試合についても伺わせてください。日々の練習の中で意識されていること、また事前の準備として大切にしていることは何ですか?

及川:
練習では常に100%の準備を意識しています。準備がすべてだと思っていて、練習の取り組み方がそのまま試合につながると考えています。だから練習の時でも、「国際試合をしているような意識」を持って臨んでいます。毎回「今日はこれをやろう」と一つ決めて、一歩ずつ積み重ねる。練習ゲームでも海外の相手と対戦しているイメージを持ちながら取り組むようにしています。

中山:
なるほど。毎回の練習で具体的にやることも決めているのでしょうか?

及川:
チームスポーツなのでメニュー自体は自分で決められませんが、その中で「今日はレシーブを絶対にミスしない」とか、一つのテーマを決めて取り組みます。ホッケーはボールスピードが速いので、一度に全部を欲張るのは難しい。だから、小さな目標を一つずつ積み上げるようにしています。

中山:
先ほど「国際試合をイメージする」とお話しされましたが、それは具体的にどのような意識で行っているのでしょうか?

及川:
チームメイトの中には国際試合の経験がない人もいますが、私はその感覚を体で覚えているので、それを練習の中で再現しようと意識しています。例えば「この当たり方だと海外ではボールを奪われる」という感覚を自分で示して、相手にも伝わるようにしています。なので、国際試合をしている周りをイメージして自分がプレーするのではなく、自分のプレー自体を国際試合の基準で行うというものです。常にその国際試合の基準を持って取り組むことを大切にしています。

中山:
なるほど。毎日その意識で取り組み続けるのは簡単ではないと思いますが、その点はどのように工夫されているのでしょうか?

及川:
もちろん人間なので気分の波はあって、特に女性はホルモンバランスによって自分ではコントロールできない部分もあります。だからこそ「今日のベストを尽くす」という考え方をしています。昨日より体が重いと感じる日でも、その日のベストを尽くす。昨日と同じ基準で比べるのではなく、「今日のベストはこれ」と、その日ごとのベストを積み重ねるイメージです。

中山:
なるほど。「基準の高さを必ず継続する」というよりも「今日のベストを日々積み重ねる」のですね。

及川:
はい。後から振り返れば継続していたことになるだけで、その日の状況を受け止め、その日のベストを出すことだけに集中しています。

3. 想定と再現──思考の出発点は成功パターン

中山:
試合についても伺わせてください。試合前夜はどのように過ごされていますか?

及川:
ルーティンを作るとしんどくなるので特別なことはしてません。絶対にやるのは「ご飯を食べる」「早めに寝る」「睡眠をしっかり取る」という当たり前のことくらいです。体のケアは毎日やっているので、前夜だから特別に何かすることはないですね。

中山:
ルーティンを持たない方が良いと感じられたのは、過去にルーティンを試したご経験があるからでしょうか?

及川:
そうですね。例えば寝る前に必ずストレッチをするとか、この曲を聴くとかありますが、結局、試合直前の数日間だけ特別なことをしても意味がなくて、それ以前の積み重ねの方が大事だと思うようになりました。だから毎日のトレーニングやリカバリーを大切にすることが、試合でのパフォーマンスにつながると思っています。

中山:
なるほど。試合前夜だから特別なことをするのではなく、日々の練習やケアそのものが「試合への準備」だということですね。ちなみに、対戦相手の映像を見ることもあるのでしょうか?

及川:
そうですね。試合映像の確認に関しては前夜とは言わず、試合までの期間の中で時間がある時にやります。試合前夜に詰め込むと逆にパンクするので、テスト勉強と同じで日々やっておくことが大事だと感じています。

中山:
映像を見る際は、どのような視点で見ていますか?

及川:
私はディフェンスなので、相手の得意なプレーを頭に入れます。「この選手はシュートのときに左に行きやすい」「この場面では右抜きが多い」など、いくつかのパターンを覚えておいて、それを封じることを意識して試合に臨むようにしています。

中山:
なるほど。守備で相手を止めるために、事前に相手の得意パターンを仕入れて備えているのですね。では、試合当日の移動中やアップの時間は、どのようなことを考えていますか?

及川:
試合当日には「自分の成功パターン」を思い出してイメージします。「このタイミングでボールを奪えた」といった過去の成功体験を頭に浮かべてシミュレーションするんです。

中山:
それは頭の中でイメージされるのでしょうか?

及川:
そうですね。国歌斉唱の時や、ラインナップのメンバーが呼ばれる場面などで、頭の中で描いています。

中山:
成功体験をイメージすることは、及川さんにとってどのような意味を持つのでしょうか?

及川:
ワクワクしてモチベーションが高まります。あとは、「イメージしたことを実際のプレーで表現する時間だ」と思えるんです。なので思考も感情もシンプルになります。

中山:
なるほど。試合を「ポジティブなイメージをアウトプットする場」と捉えているのですね。
では、緊張やプレッシャーは感じやすいタイプだと思いますか?

及川:
オランダに行く前は緊張することもありました。でも経験を重ねるうちに自信が持てるようになって、東京オリンピックではもう緊張することはなかったですね。今では逆に「緊張しているな」と気づけるくらいで、その時はむしろ自分らしくない状態だと分かるようになりました。

中山:
緊張を落ち着けるために、意識していることはありますか?

及川:
深呼吸ですね。あとは成功パターンを思い出してワクワクして、そのイメージを実行することだけに集中します。

中山:
不安やネガティブを考える余地がないくらい、ポジティブなイメージで満たしているのでしょうか?

及川:
そうですね。起こってもいないことを不安に思うと、良い意味でも悪い意味でも想像が膨らんでしまうと思っていて。私は「こうなるかも」と一度思うとそこから考えすぎてしまう傾向があるのですが、それならポジティブなことを想像した方が良い。思考の出発をポジティブにする感じですね。あとは、ミスしても大丈夫というスタンスで取り組める様にするために、練習では100%を出し切っておくことですね。

中山:
なるほど。思考の出発点、方向性を変える工夫をされているのですね。守備で相手からボールを奪うのは受け身の対応もあると思いますが、実際には多くの想定力が必要ですよね。その中で、「こうなるかも」というパターンを予想しておくことはあっても、加えて自分がそれに対してプレーをした成功のパターンまで想定しているのが、とても興味深いと思いました。

及川:
そこまでイメージすれば、私の場合ワクワクもできるんです。もちろん予想していても、実際には1発で交わされることもあって「やっちまったな」と思うこともあります。でもその準備や経験があるからこそ、試合ではすでに解決策を持って挑めるんです。受け身の様に見えて、実は違うかもしれませんね。

4. “大丈夫”をやめた日──対話がチームにもたらす変化

中山:
先ほど「不安や緊張は今はもうあまりない」と仰っていましたが、その背景にはオランダでの経験も大きく関わっているのでしょうか?

及川:
そうですね。オランダでプレーしたことで得られたものは本当に大きかったと思います。

中山:
その経験から、一番大きな学びはどのような点でしょうか?

及川:
一番と言われればコミュニケーションの在り方ですかね。例えば、海外の選手は日々のちょっとした変化を見逃さずに「どうしたの?今日は少し様子が違うけど、昨日何かあった?」と声をかけてくれるんです。その言葉で「あ、自分は一人じゃないんだ」と気づかされることがあって、その一言にどれだけ救われたかを実感しました。

例えば、日本にいた頃の以前の私なら、「大丈夫?」と聞かれても「大丈夫だよ」と表面的に返して済ませていたのですが、今は「実はこういう理由で気分が良くない」とか「このことについてはあまり良い印象を持っていない」と、率直に伝えられるようになりました。ダイレクトに伝える大切さを学んだんです。思っていること、気持ちを率直に表現することで相手も安心できるし、互いに支え合える関係になるんだと実感したんですよね。

中山:
なるほど、率直に伝えることで関係性がより良く、そして深まるわけですね。

及川:
例えば日本だと上下関係が強くて、先輩や経験者の言葉は絶対という風潮がまだまだありますよね。でもオランダでは、年齢や立場に関係なく「私はこう考えて、こうプレーしました」と誰もが意見を言えるんです。そういう文化に触れたことで、自分自身も大きく変わりました。

もちろん日本全体の文化を一気に変えるのは難しいですが、その中でも自分にできることはあると思っています。例えば下の世代に声をかけて答えを引き出したり、質問の仕方を工夫したり。そうすることで雰囲気づくりは変えられると感じています。

中山:
確かに、私も国内外でのスポーツ、ビジネス経験がありますが、日本との大きな違いは「フラットに意見を言える文化」が挙げられると考えています。では、及川さんがコミュニケーションの在り方を変えたことで、実際に競技面やチームにどのような変化がありましたか?

及川:
今では一回りも下の選手がジョークを言ってくれるようになって、10年前では考えられなかった関係性が築けています(笑)特に東京からパリにかけての代表チームで強く感じました。監督も「チーム・ファースト」という言葉を掲げていて、チームのためにどんな発言や行動を取るかが重視されていました。ただ自分の意見を言うだけなら「自分ファースト」ですが、チームのためを思って投げかける言葉は違います。その姿勢を監督がしっかり見てくれて、「日本の文化も理解している経験ある選手がそういう振る舞いをしてくれるのはありがたい」と言ってくれました。その言葉をもらったことで、自分のやり方は間違っていなかったんだと確信できたんです。

中山:
なるほど。コミュニケーションを変えたことで、チーム全体に良い影響が広がったのですね。

及川:
年齢や立場にとらわれずにいろんな形のコミュニケーションが生まれるようになったことで、チームの雰囲気自体も変わったと感じています。

5. スティックを置かない理由──“現役”という言葉のその先へ

中山:
最後に未来について聞かせてください。今後、ホッケーとはどの様に付き合っていきたいと考えていますか?

及川:
ホッケーは生涯スポーツなんです。マスターズでプレーする方もいますし、トップを目指さなくても楽しんでいる人がたくさんいます。だから「もうスティックを握りません」とか「走りません」といったことは、まったく考えてません。

生涯スポーツだからこそ、ライフスタイルの変化で一時的に離れることがあっても、またピッチに戻れる。そして仲間と「当時はこうだったね」と語りながら一緒にプレーできる。それがホッケーの魅力だと思っています。だから完全にやめる、ピッチを退く、という考え方はないですね。

中山:
なるほど。ホッケーは人生と共にあり続けるもの、という感覚なのですね。

及川:
世界では60歳になってもスティックを握って走っている方がいます。自分が小さい頃から夢中になってきた競技をいつまでも続けられるというのは、とても素敵なことですよね。

ただ、あえて現役選手としてここまで続けているのには明確な理由があります。それは、パリで感じた「世界との差」を埋め、追い越さなければ次のロサンゼルスは難しいと強く感じたからです。私たち「さくらジャパン」は6大会連続でオリンピックに出場していますが、7大会連続は簡単ではないとピッチの上で実感したんです。

中山:
パリで「差」を体感されたのですね。それが今ホッケーを続ける理由につながっている。

及川:
この4年間、現役として同じピッチに立ちながら、ロスを目指す選手やさらに上を目指す選手たちに伝えられることがあると思っています。現役だからこそ説得力を持って示せることがあって、一緒に切磋琢磨しながら伝えていかなければならないことがまだまだあります。だからこそ続けている意義があるんです。

中山:
現役だからこそ伝えられることがある。その言葉には重みがありますね。

及川:
はい。世界ランク1位のオランダや、当時2位だったオーストラリアでは、スティックを持っているだけで「あ、ホッケー選手だ」と認識されて、私の名前も知ってもらえるような環境がありました。でも日本に戻ると「ラクロスですか?」と聞かれるような状況で…。そのカルチャーショックは本当に大きかったです。

中山:
海外とのギャップを肌で感じて、その経験がホッケーを広めたいという思いにつながっているのですね。

及川:
だからこそ、これから台頭してくる子どもたちには同じ経験を味わってほしくない。ホッケーを知らない人たちにもどんどん広めていきたい。その思いが、私が現役を続けるもう一つの理由です。

中山:
ホッケーを広めたいというお気持ちが強く伝わってきます。では、競技の枠を超えたところで目指していることや、取り組まれている活動についても教えていただけますか?

及川:
ホッケーの認知拡大はもちろんですが、競技外でも取り組んでいることがあります。例えば私は美容業界のタカラベルモントに所属しているので、美容に関心を持つ方々に向けて、メディアや取材を通して自分自身が発信することで「スポーツって何だろう?」「ホッケーってどんな競技なんだろう?」と興味を持ってもらうきっかけ作りに取り組んでいます。ホッケーを0から1にする。知っている人の中で閉じるのではなく、「知っている」と手を挙げられる人を増やしていきたい。それが、私が積極的に取り組んでいる活動の一つです。

中山:
競技そのものだけでなく、発信の仕方にも工夫を凝らされているのですね。

及川:
あとは他競技の選手との交流も増やしています。バスケやバレーなど、よりメジャーな競技で活動する選手から情報をもらったり「こういう発信はどう?」とアドバイスを受けたり。そういう横のつながりから学べることはとても多いですね。

例えば他競技のSNSに登場することで「この人は誰?」「何の競技?」と新しい人に見てもらえる機会が増えます。それも一つの手段だと思います。だから人と会って話すことが好きですし、そこから新しいアイデアをもらうことも多いです。

中山:
横のつながりから新しい可能性が広がるのは大きいですね。そうした発信活動の一方で、競技とのバランスはどのように考えていらっしゃいますか?

及川:
結局は競技で結果を残さないといけないと思っています。最低限の結果が伴ってこそ、発信や活動に説得力が生まれる。だからこそ、競技と社会への発信、その両方を大切にしていきたいです。

中山:
今日の対話を通じて、ホッケーという競技の奥深さだけでなく、及川さんが大切にされている「思考」や「生き方」に触れることができました。現役としての挑戦、そして社会に広げようとする想い。その両方がこれからどんな形になっていくのか、とても楽しみです。本日はありがとうございました。

及川:
ありがとうございました!


答えは、すぐには見つからないかもしれない。
それでも自分と向き合い、考え続けることが、次の一歩をつくる。
思考を解き明かす対話は続く。
『Dialog Code』——次は、誰の思考に触れようか。


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