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Dialog Code

『泥臭さの真価───技術を超える守備の哲学』福岡将太 # Dialog Code

2025/09/24

「対話が変われば、スポーツはもっと変わるのか?」強くなるために必要なのは、トレーニングや技術だけではない。自分自身と向き合い、考え、気づくこと——それが次のステージへ進む鍵になる。『Dialog Code』—— アスリートたちの言葉から、その可能性を探るシリーズ。

今回登場するのは、福岡将太(プロサッカー選手・ガンバ大阪所属)。
さあ、彼の思考を紐解いていこう。


1. 泣き虫少年の記憶──国立が教えてくれた“準備”の意味

中山:
サッカーとの最初の出会いで、景色として覚えているシーンは何ですか?

福岡:
一番古い記憶でいうと幼稚園のときですね。小さい頃の方が結構覚えていて、ボールの蹴り出しの練習で蹴られて負けたことを経験して、「勝ち負け」という感覚を初めて知りました。負けると泣いてしまうし、ミニゲームでも負けたら泣いてしまう。泣いてばかりの子どもでしたけど、それが僕にとってのサッカーの最初の感情だったと思います。

中山:
サッカーを始めるきっかけは何だったのでしょうか?

福岡:
幼稚園の友達で親同士が仲良かった子がいて、その子に誘われて始めました。誘ってくれた友達は途中でやめてしまったんですけど、それでも僕はサッカーが好きだったから続けていました。

水泳もやっていたんです。でも親と離れて習い事をするのがすごく嫌で、よく泣いていたのを覚えています。今は自分が親になって、そのときの光景を逆の立場で思い出すこともあります。

中山:
サッカーを始めたばかりの頃で特に嬉しかった記憶や感情は何ですか?

福岡:
幼稚園の年中のときに初めての大会で銀メダルを取ったんです。決勝で負けてしまったんですけど、その大会で点も取ることができて、とても記憶に残っています。今もそのメダルは家にあって、実はつい最近も見返しました。

中山:
最初のタイトルですね。その時から、得点を取れるとか、周囲と違うという自己認識はあったのでしょうか?

福岡:
そうですね。幼稚園の頃から足が速くて、体も大きい方でした。だから「自分はうまくいっているな」という感覚はありました。

中山:
では、学生時代を振り返って一番嬉しかった出来事は何ですか?

福岡:
高校2年のときに全国大会に出場できたことですね。その年は関東大会、インターハイ、選手権と全部出場して、しかも2年生で唯一、僕だけがスタメンで使ってもらっていました。関東第一との決勝で勝ったときに、「もっと先輩と一緒にサッカーができる!」という想いを爆発させたのを覚えています。

中山:
なるほど。「先輩と一緒にプレーしたい」という気持ちが強かったのでしょうか?

福岡:
そうですね。同年代とやること以上に、先輩たちと一緒にプレーすることが多かったんですよね。修学旅行にも行かずに関東大会に出場しましたし、先輩たちにも可愛がってもらっていました。その先輩たちと全国に行きたい、という気持ちが強かったです。

中山:
可愛がってくれた先輩と一緒に戦えた、その感情は今も残っているのですね。

福岡:
そうですね。今も当時の先輩と連絡を取ったり、ご飯に誘っていただいたりします。あのとき頑張ってよかったなと、心から思います。

中山:
全国大会に出るということ、そして同年代で自分だけ試合に出ていたという特別な状況の中で、「先輩と一緒にできる」という思いが残っているのは福岡さんらしさを感じます。

では逆に、一番悔しかった体験は何でしょう?

福岡:
選手権の開幕戦ですね。試合には勝ったんですけど、旧国立競技場の最後の年で、前半20分くらいで地面を蹴って大きな捻挫をしてしまって。感覚がないまま最後まで出たんですけど、試合後には「次の試合には出られない」と自分でも分かっていました。結果的に3か月くらいかかる怪我で、全国大会は公式戦で1試合しか出られなかった。あれは本当に悔しかったです。

中山:
なるほど。いざ迎えた大舞台で怪我をするのは本当に辛いですね。

福岡:
しかも、実は大会当日に寝坊したんです。普段はどちらかといえば心配性で余裕を持ちたいタイプで、過去に一度も寝坊とかをしたことはないんですよ。なのに、よりによって大事な日に遅刻してしまって。直接の原因ではないと思いますけど、「生活の乱れがどこかで繋がるんだな」と感じました。そこから「準備の大事さ」を学びました。

中山:
そうした経験があったからこそ、準備や心構えに意識が向くようになったんですね。

2. 当たり前から価値へ──J1で再認識した“泥臭さ”の真価

中山:
学生時代の指導者の言葉で、今も残っているものは何ですか?

福岡:
「心で勝負」という言葉ですね。実践学園のスローガンでもあったんですけど、泥臭さを忘れずに気持ちで戦うこと。これは今でも大切にしています。J3、J2、J1と経験してきた中でも、この“心で勝負する姿勢”は常に自分の軸になっていますし、特に去年はそれがすごく出たなと感じました。

中山:
その「心で勝負する」とは、具体的にはどういうことだと捉えているのでしょうか?

福岡:
普段の私生活を含めて、真っ直ぐに物事に挑むことです。人に対しての思いやり、物事への関わり方もそう。1つのことに対して真正面から向き合うこと。それが「心で勝負」だと思っています。特に高校1年のときは、担任が監督だったこともあって、人としての基礎を徹底的に教えてもらいました。その時期が自分の人間形成にとって一番大きかったですね。

中山:
この「心で勝負する」という言葉は、昔と今で捉え方が変わった部分はありますか?

福岡:
捉え方が変わったというより、より「自分のストロングだ」と再認識したと思います。J3やJ2でやっていた頃は泥臭さは当たり前で、どのチームもどの選手も身体を張っていました。でもある意味J1では戦術が整理されていて、タレント性がある選手も多い。自分もそういうプレーをしたい気持ちはあるけれど、同時に「泥臭さを忘れてはいけない」と強く思うようになりました。実際に試合に出て、その大切さを実感しましたね。

中山:
なるほど。試合に出たことで、よりそう感じたのはなぜでしょうか?

福岡:
去年の天皇杯で、三浦弦太くんが怪我をしていたタイミングでスタメンで出させてもらったんです。相手には大迫選手などの名のある選手も多くて、身体で勝てない部分もありました。その中で自分は何ができるかを考えたら、「どんな体勢でもボールをカットする」「どんなに離されても粘り強くついていく」という部分で勝負するしかなかった。その経験が、自分にとって“泥臭さの価値”を改めて実感させてくれました。

中山:
実際に肌で違いを感じる中で、泥臭さでそのギャップを埋めたのですね。福岡さんが体現している泥臭さは、未来への理想や自分への期待というより、今この瞬間の執念に近いのでしょうか?

福岡:
そうですね。僕はあまり未来を見ないタイプで、目の前の試合に全力を注ぎます。なので未来への期待というより、今この瞬間への執念に近いと思います。J1のガンバ大阪にいても「レギュラーに定着している」という感覚は正直なくて、常に競争がある。実際に自分がフルで試合に出続けたシーズンがどれだけあったのかと言われれば、そこまでない。だからこそ「いつ食われてもおかしくない」と思うプレッシャーの中で、自分の泥臭さがより引き出されてもいます。

中山:
今への執念、プレッシャーがある状況の方が、より強みを発揮できるという感覚なのですね。

3. 緊張とリラックスの間で──身体から整える“心のスイッチ”

中山:
「準備の大切さ」を学ばれたと仰っていましたが、今、日々の練習前に意識して取り組んでいることはありますか?

福岡:
僕は準備をやりすぎると体が動かなくなるタイプなんです。なので練習や試合に向けては、睡眠をしっかりとることに重点を置いています。練習前にやるのは軽いストレッチくらいですね。変に刺激を入れたりすると逆に重くなったりするんですよね。

中山:
なるほど。心配性で余裕を持ちたいタイプと仰っていましたが、これまでに色々と試してきたのでしょうか?

福岡:
そうですね。例えば腰が痛いときに「これがいいよ」と言われたら試すことはあります。ただ、刺激を入れすぎて逆に痛みが強くなることもあって。そういう経験を重ねて辿り着いたのが「少し動かす、軽くストレッチする」という今の形です。変にやりすぎないこと。去年はこのやり方で1年通して戦えて大きな怪我もなかったので、その成功体験があるから今も続けています。

中山:
なるほど。ご自身の成功体験が今の形につながっているんですね。では日々の中で「ここをもっと伸ばしたい」と課題を感じたときには、どのように取り組んでいるのでしょうか?

福岡:
僕は守備面をもっと改善したいと思っていて。直近だと、同世代の中谷(進之介)の存在が僕の中では一番でかいんです。A代表も経験していて、同世代であそこまでリーダーシップを発揮できる守備力の高い選手はなかなかいない。だから彼から刺激をもらいながら「負けたくない」という気持ちで取り組んでいました。

僕自身、CBの中でも僕は守備力が低い方だと思っているんですけど、去年はその部分で成長できた実感があります。あと、ポジション関係なく選手全員が体を張って守備をしていたこともすごく影響を受けていました。でもやっぱり中谷の存在は一番大きかったですね。

中山:
周囲に感化されながら課題に取り組むことができたんですね。その中でも特に中谷さんからの刺激が大きかったと。中谷さんとプレーすることで、ここを盗みたい、みたいな視点もあったのでしょうか?

福岡:
そうですね。その上で、お互いにできること・できないことがあるので、お互いが理解をし合いながら自然とカバーし合っていました。彼も僕のストロングを出せるようにプレーしてくれていたと感じます。

中山:
「心配性」というお話もありましたが、試合前夜はどのように過ごされているのでしょうか?

福岡:
僕はアウェイのとき特に寝つきが悪いんです。夜の試合なら昼寝で調整できることもあります。ホームのときは生活リズムが一定なので大丈夫なんですけど、アウェイでは環境の違いがストレスになることもありますね。

中山:
なるほど。翌日の試合のことを考えたり、準備したりすることもあるのでしょうか?

福岡:
相手の映像を見て特徴を確認したりはします。ただ、そればかりになると緊張が高まってしまうのは嫌なので、アニメやドラマを見てリラックスする時間も大事にしています。

中山:
情報を入れながらも、どちらかというと「どうリラックスするか」にも意識を向けているんですね。アウェイで寝づらいとき、これまで何か工夫されたことはありますか?

福岡:
コンセントが近くにない、とかでも自分にとっては地味にストレスで(笑)アイマスクを使ってみたことがあります。ただ、一度試合前に使ったときはリラックスしすぎて逆効果でしたね。

中山:
緊張とリラックス、そのバランスは難しいですよね。

福岡:
そうですね。紙一重なんじゃないかと思いますね。

中山:
リラックスしすぎてしまったときは、どうやってスイッチを入れますか?

福岡:
腕立てやスクワットをして身体に刺激を入れますね。頭からアプローチするのは難しいなと思うので、身体から入れるようにしています。

中山:
身体に刺激を入れるのですね。逆に緊張しすぎて昂っているときに、落ち着かせるためにはどんなことをされていますか?

福岡:
アップ場の人工芝の上にストレッチパッドを敷いて、首を伸ばしたりしてリラックスできるように意識しています。

中山:
なるほど。先ほど「頭に刺激を入れるのは難しい」と仰っていましたが、その点で試されたことは何かありますか?

福岡:
リラックスしている時に「できるできる」と自分の中で唱えたりすることはあります。これは何度か試したことがありますね、劇的に変わるわけではないですけど、少し意識を変えることで気持ちが締まる感覚があります。キックオフ直前は、地に足をつけるために足を叩いて、思いっきりジャンプして足踏みをしますね。

中山:
そうすることで身体に刺激が入り、思考も切り替わるわけですね。人間の思考は環境や姿勢に大きく影響されますから、身体からアプローチする今の方法はとても有効だと感じました。

福岡:
高校のときに専門家の方に「重心を上に意識するときと下に意識するときで、人に持ち上げられたときの重さが変わる」と言われてやってみたことがあったんです。それを体験してから足に刺激を入れるようになって、今はルーティーンとして取り入れています。

中山:
なるほど。実際に体感したことを自分流に取り入れて継続されているんですね。その他にもルーティーンはありますか?

福岡:
試合会場に入るときは必ず左足から入ります。

中山:
それはいつ頃から、なぜ始められたのでしょうか?

福岡:
気づいた時にはやっていたんですよね。高校時代に右足を怪我した時に左足の練習を結構やっていて、今では左足の方が強いボールを蹴れたりと、右利きだけど左足の方が得意という状態になっていて、これまでの過程も踏まえて左足を大切にしたい気持ちがあるんですよね。靴も左足から履きますし、グラウンドに入る時は左足から入って芝生を触って左足を2回ポンポンと叩いて「今日もよろしく」と声をかけるんですよ。

中山:
なるほど。そのように「邪魔されないルーティーン」を持つのはいい方法ですね。いつもと同じことをすることは、福岡さんにとってどんな意味があるのでしょう?

福岡:
例えばアウェイのホテルでいつもと違う環境でイレギュラーなことがあっても、最後に試合に入るときに必ず落ち着けるポイントをつくれるんです。ルーティーンはよくないと言う人もいると思うんですけど、外的要因に左右されずに自分だけでできるものなら、自分発信でいつでも実践できるので僕は大事にしています。

中山:
伺っていてとてもいいやり方をされているなと感じたのですが、これはご自身で考えてやってみたのか、誰かから聞いて取り組んだのかどちらなのでしょうか?

福岡:
ん〜そうですね...色々模索している中でやってみて、やってみたことが腑に落ちて。気づいたらルーティーンになっていましたね。

中山:
ご自身で模索する中で、自分に合ったやり方を見つけられたのですね。

4. “成功からの反省”──思考を変えて辿り着いた強さの源泉

中山:
試合で重要な局面で失点してしまった時に、試合中によくないセルフトークや感情、思考が出てくる時はありますか?

福岡:
以前はありました。ガンバに来た1年目の頃なんかは特に思考は良くなかったですね。自分のミスから失点することも多くて。ただ、その少し前に専門家の方と対話をしていて「反省の仕方」を学んだんです。多くの人は失敗したときに反省しますけど、成功したときに反省した方がポジティブに振り返れるんだと。例えば「こうだったから、こうできたんだな」というふように思考を変えることができた。そこから慌てることが減って、自分がボールを奪われてピンチになっても、周りを見ながら落ち着いて対応できるようになっていきました。

中山:
思考を切り替えるというのは、ある意味“技術”ですよね。知っているかどうかで大きな違いがありますし、それを自分のものにできるかどうかで結果も変わってくる。そのあたりの「思考」の重要性についてはどう感じていますか?

福岡:
「こうすればよかった」よりも「こんなプレーができたんだ」という思考になったことは大きいと思います。もちろん練習で上手くいかないと「あぁ…」と思うこともありますけど、映像を見返すときはミスした場面は全部飛ばすんです。うまくいったシーンだけを何度も見直して、悪いものがない状況で反省する。俺できたじゃん、こうなったじゃん、みたいな。そう変わったことが、自分にはすごくポジティブに働いています。できなかったことが仮にあっても、「できたこと」に目が向くようになるので、気持ち的にももっとやろうって自然となっていくんですよね。

中山:
同じ出来事でも、見る角度やポイントを変えることで全然違って見えて、次への動機にも繋がっているんですね。

福岡:
そうですね。自分のミスについて話すよりも、うまくいった場面を話す方が自分も気持ちがいいし、マイナスのない会話になるんです。僕にはその思考がすごく良いなって思いましたね。

中山:
そこから新しい発見があることもありますよね。「心で勝負」と仰っていた福岡さんが、こうした考え方、まさに「思考のスキル」を学んで取り入れて自分のものにしているのはとても面白いです。

福岡
たしかにそうですね(笑)。守備ではもちろん頭を使いますけど、局面では「泥臭さ」や「心で勝負」という部分が出ると思うんです。しかも今は、ポジティブな思考で捉えられるようになった上での泥臭さ。それが合致したときに、自分のプレーが一番うまく出るんじゃないかなと思っています。

なんと言えばいいんですかね...うまく泥臭さを出すために、良かったことを反省して次に活かすという思考をしているので、ある意味その思考に取り組んでいることも泥臭さだと思っています。

中山:
なるほど。福岡さんの強みは単なる泥臭さではなく、そこに思考スキルとしてのポジティブさを維持する泥臭さも重なっているんですね。

福岡:
そう思います。泥臭さ以外にも強みはあると思いますけど、ポジティブに捉えられる部分も自分にとっては“泥臭さ”なんです。ダメなものは全部排除して、良いものだけを取り入れて表現する。うまく泥臭さを出すための方法がそれなんです。反省の中でも楽しい部分を見つけてそれを表現する。そういうやり方が、自分の中での泥臭さなんだと思います。

中山:
積極的に、そして楽しみながら泥臭くやっているという印象を受けました。一般的に“泥臭い”という言葉にはネガティブな響きもありますが、福岡さんの泥臭さは爽やかで前向きで、明るい色を持っていると感じます。

中山:
では、福岡さんがCBであることを踏まえて聞いてみたいのですが、サッカーという競技は「ミスを減らすもの」なのか「可能性を試すもの」なのか、どちらだと考えますか?

福岡:
ん〜...ポジション的にはミスを減らさないといけない競技だと思います。ただ、僕は左足の方が強いボールを蹴れるとか、攻撃のスイッチを入れたいという思いもあって。だから「確実性」と「可能性を広げたい気持ち」の間で葛藤はあります。

中山:
そのバランスにはどのように向き合っているのでしょうか?

福岡:
今の監督は徳島でも一緒にやっていて、その時には「確実性のあるプレーをしろ」と口酸っぱく言われ続けてきました。その言葉が染み付いているので、やる場所とやらない場所の区別は自分の中で明確になっています。今は7:3くらいの割合で、7割は確実にミスをしないプレー、3割はトライするプレーという感覚で調整しています。

中山:
なるほど。どちらが正しいという話ではなく、ご自身の中で適切なバランスがあるのですね。ミスをしないことが基本にありながら、挑戦する場面はしっかり区別して整理されている。

福岡:
そうですね。CBに求められることは多いですし、守備はできて当たり前。その上でいかに攻撃に参加するかが重要になると思っています。そこが監督のやりたいサッカーを体現するためには重要だと思っているので、そこの部分は常に意識しています。

5. 守備の価値を未来へ──子どもたちに刻みたい“守備の価値”

中山:
最後に伺いたいのですが、福岡さんにとって「まだ勝ち取れていないもの」や「これから目指していきたいもの」は何でしょうか?

福岡:
僕は子どもたちへの思いがすごく強いんです。CBってあまり目立たないポジションで、失点すれば悪目立ちするポジションでもある。だからディフェンスをやりたくないっていう子どもも多いんですよね。

中山:
確かに、子どもたちにとってはFWや攻撃の選手に憧れるケースが多いですよね。

福岡:
そうなんです。世界的に見ると、メッシやクリスティアーノ・ロナウド、ムバッペといったスター選手はみんな前線の選手です。でも僕は「守備で泥臭く戦うこともサッカーの大事な価値なんだ」ということを、現役でいる間に子どもたちに伝えたいと思っています。

中山:
ご自身のキャリアだけでなく、次の世代に残したいという想いが強いのですね。

福岡:
もちろん自分の成長も大事ですが、サッカー選手でいられる時間は限られているので、その間に未来の子どもたちへ、「綺麗なプレーや上手いプレー、攻撃だけがサッカーじゃない」ということを、自分のプレーで体現していきたいと思っています。

中山:
素敵ですね。まさに福岡さんだからこそ伝えられることだと思います。実際に子どもたちと接するときには、どんなことを意識されているのですか?

福岡:
僕はもともと子どもが好きで、もしサッカー選手になれなかったら幼稚園の先生になりたかったくらいなんですよ。子どもができてからは、子どもの目線で一緒にバカになるのも得意だと感じますし、スクールで一緒にプレーするときも絶対に手を抜きません。

中山:
「本気で向き合う姿勢」を見せることを意識されているのですね。

福岡:
「プロのサッカー選手って、これだけレベルが高いんだ」というのを子どもたちに体感してもらいたいと思っていて、それが刺激になって自分自身がどうチャレンジするのかを考えるきっかけになると思うんです。だからこそそういう場面でも本気で向き合うことを大事にしています。

中山:
子どもたちのために体現していることが、結果的に福岡さんご自身の試合の支えにも繋がっているのではないかと感じました。

福岡:
はい、本当にそう思います。子どもたちの声援が自分の力になっていますね。つい昨日のことですが、友人家族と一緒にサッカーをしたときに、子どもに「大きくなったら何になりたい?」と友人が聞いてくれたんです。そしたら「サッカー選手!」って答えたんですよ。ちゃんと「サッカー選手」と言ったのは初めてで、自分がサッカー選手としてプレーしていることが子どもに伝わっているんだなと実感できて、すごく嬉しかったですね。

中山:
子どもたちの声援が福岡さんを支え、福岡さんのプレーがまた子どもたちを刺激する。そうした循環の中で、これからどんな物語が紡がれていくのか、とても楽しみにしています。そして、福岡さんが伝えていきたい「泥臭さ」や「守備の価値」は、きっと未来の子どもたちの心に強く残るのだと思います。本日はありがとうございました。

福岡:ありがとうございました!


答えは、すぐには見つからないかもしれない。
それでも自分と向き合い、考え続けることが、次の一歩をつくる。
思考を解き明かす対話は続く。
『Dialog Code』——次は、誰の思考に触れようか。


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