Dialog Code
『“感情”を燃料に──自分を乗りこなし、世界へ』滝川結女 # Dialog Code
2025/10/29

「対話が変われば、スポーツはもっと変わるのか?」強くなるために必要なのは、トレーニングや技術だけではない。自分自身と向き合い、考え、気づくこと——それが次のステージへ進む鍵になる。『Dialog Code』—— アスリートたちの言葉から、その可能性を探るシリーズ。
今回登場するのは、滝川結女(プロサッカー選手・アルビレックス新潟レディース所属)。
さあ、彼女の思考を紐解いていこう。

1. リフティング100回──父からの“一発試験”宣告
中山(Dialog Partner):
滝川さんがサッカーを始めたのはどのようなきっかけでしたか?
滝川:
5歳上の兄の影響です。兄がサッカーをしていたので、週末はいつも兄の試合について行っていました。試合の横でボールに触れることが多くて自然と始めるようになりました。
中山:
お兄さんの試合について行く中で自然と始められたのですね。幼い頃の記憶で、鮮明に覚えている出来事や夢中になった瞬間はありますか?
滝川:
自分ではあまり細かく覚えていないのですが、兄の試合の横でボールを蹴っていたのがすごく楽しくて、5歳の時に親に「サッカーをやりたい」と言いました。そしたら父に「本気でやりたいなら小学生に上がるまでにリフティング100回できるようになりなさい」と言われたんですよ。しかも試験日みたいな日を決められて、その日に100回成功したらサッカーを始めていいと(笑)

中山:
試験方式だったんですね(笑)
滝川:
そうなんです。その日までに100回できるようにひたすら家の前で練習していました。ちゃんと試験日も決まっていて、一発勝負の試験でした。
中山:
結果は、一発で合格できたのでしょうか?
滝川:
できました。ただ、100回達成した瞬間に「イエーイ!」って喜んで止めたんです。そしたら父に「やめるな!できるならもっとやれ!」って怒られて(笑)
中山:
厳しいですね(笑)その記憶が強く残っているということは、それだけ印象的な出来事だったんですね。
滝川:
そうですね。今でもよく覚えています。
中山:
そのリフティングの練習をしていた時は、サッカーをやりたいから頑張るという感覚でしたか?それともリフティング自体が楽しいという気持ちもあったのでしょうか?
滝川:
どちらかといえばサッカーをやりたいからですね。そのためにはこの試験に合格しなきゃいけないと思っていたので、まずこの目標をクリアしなきゃという気持ちでやっていました。
中山:
なるほど。その時の感情としては「やるしかない」という覚悟に近かったのか、それとも「なんでだよ」という気持ちもあったのでしょうか?
滝川:
「やりたい」と言えばすんなり「いいよ」って言われると思っていたんです。なので「リフティング100回」という課題を出された時はびっくりしました。でもその時はもう目標しか頭になかったので、どうしたら達成できるかを考えて、幼稚園から帰ったら家の前の道路で暗くなるまでずっと練習してましたね。
中山:
それを5歳ながらにやられていたのはすごいですね。
滝川:
リフティングがちょっと得意っていうのもあったんですよ。それも良かったのかもしれません。
中山:
幼少期から目標を設定して、それを達成するという経験をされていたんですね。
滝川:
今思うとあの時の経験はすごく大きかったと思います。
2. 日本代表に選ばれるために──キャリアハイを生んだ思考の変化

中山:
代表に選ばれてプレーするというのは、ひとつの大きな目標だったと思います。E-1選手権などもありましたが、この1年でご自身のプレーの中で、「ここが変わった」と実感できる部分はありますか?
滝川:
“ゴールへの意識”は大きく変わったと思います。昨シーズンも含めてですが、ずっと目標にしていたのが代表でした。代表に選ばれるためには、目に見える結果を残さなきゃいけないと思ったんです。私は攻撃の選手なので、やっぱり得点という部分にこだわらなきゃいけない。得点を取ることでチームにも貢献できるし、一番わかりやすい形で結果として現れると考えて、明確に得点を取るという目標を立てていました。
中山:
なるほど。代表を目指す上で、逆算的に結果にこだわるようになったんですね。
滝川:
自分はまだ有名でもないし、どうしたら自分を見てもらえるかと考えたら、やっぱり結果を出すことしかないと思ったんです。なので昨シーズンは本当にそこを一番意識していました。まずシュートを打たなきゃ始まらないとも思っていたので、シュートを打つことに強く意識を置いていて、結果的にそれがキャリアハイの得点数に繋がったのかなと思います。
中山:
結果を出すと決めた上で、最初に取り組んだのがシュートを打つ意識を持つことだったんですね。
滝川:
そうですね。今までは「ここはパスかな」と思う場面でも、ゴールが見えたら打つようにしました。これまでパスを選んでいた場面で無理やり打つというよりは、まずゴールを狙う方向に意識を向けたんです。結果的にシュート数もかなり増えたと思います。
中山:
滝川さんは周りを活かすプレーや周囲を楽しませることが自然にできる印象があるのですが、「パスではなくシュートを打つ」という選択に切り替える時、葛藤や迷いはありませんでしたか?どのようにその意識を変えていったのでしょうか?
滝川:
気にしいなので葛藤はめちゃくちゃありました(笑)ただ同時に、自分で打てばよかったなと後から後悔することも多くて。そんな中、年齢を重ねて少し余裕が持てるようになったことで、もっとエゴイストになってもいいのかなと思えるようになったと思います。シュートを打つことを選ぶようになったら、周りも少しずつ認めてくれるようになって。「出せよ!」って言われる時もありますけど、それでも以前より自信を持ってプレーできるようになりました。

中山:
そのシュートを打つ意識は練習の段階から変えていったのですか?それとも、試合前に必ず打つと自分に言い聞かせるような取り組みなどがあったのでしょうか?
滝川:
どちらもですね。練習でやっていないことは試合で出せないので、練習の中からゴールが見えたら打つことを意識していました。普段から意識を変えておく必要があることにも改めて気づきましたね。
中山:
なるほど。
滝川:
あと、自分のゴールシーンをまとめた動画をスタッフに作ってもらって、それを試合前に見てイメージを作っていました。今日こそ決めるぞという気持ちを作るためにも、映像で自分のプレーを見返して、ゴールする感覚を焼き付けておくんです。
中山:
試合前にイメージを定着させておくことで、試合中はもう自然に身体が反応する状態をつくっているんですね。
滝川:
そうですね。試合の中でゴールが見えた時、頭で考えるより先に“打てば入る”という感覚が湧いてくるんです。その場面になった時には自然と体が動く感じですね。
中山:
結果が出るようになって、ようやくこれでいいんだと思えるようになった部分もあるかと思いますが、そこに至るまで“気にしいな自分”とは、どのように向き合ってこられたのでしょうか?
滝川:
自分がチームの中心になって引っ張っていかなきゃいけないという立場の変化もあって、そのような環境になったことで初めてちゃんと向き合えた気がします。前線の選手だからこそ、自分が点を決めなきゃチームは勝てない、自分のゴールでチームを勝たせたいという気持ちがより強くなったんです。もう気にしてる場合じゃないって自分に言い聞かせていましたね。
中山:
チームを勝たせるという目的から考えれば、前線の選手である以上、自分がシュートを打たなければ点は入らない。だからこそ“気にしている場合じゃない”と頭を切り替えたんですね。
滝川:
そうですね。
中山:
とても興味深いですね。そしてその過程を経てキャリアハイの得点数につながっていったんですね。
3. 得意を磨き、心を整える──一つに絞る思考法

中山:
練習やトレーニングの中で、弱点を減らすのか得意を伸ばすのかでは、どちらを重要視されていますか?
滝川:
うーん…自分が得意な形をもっと得意にするための練習の方が続けやすいというのもありますが、どちらかと言えば得意なことを伸ばすことですね。たとえばターンが得意だったら、そのターンの前の体の使い方や向きを研究します。苦手なヘディングの練習を毎日やれるかと言われると...(笑)
中山:
なるほど。先ほどのリフティングの話にもありましたが、得意だから続けられるというのが根底にあり、手応えが継続力にも繋がっているのでしょうか?
滝川:
そうですね。できないことは他で補えばいいと思うタイプなので、苦手を無理に克服するより、得意で勝負したいと思っています。得意な部分を突き抜けさせて、苦手な部分が見えないようにしたいですね。
中山:
得意を伸ばすという視点ですね。自分らしく、楽しく成果を出している人は、いち早く得意を見つけて集中的に伸ばしているという共通点がある様にも思えます。
滝川:
そうなんですね。ちょっと安心しました(笑)
中山:
では、逆に調子が上がらない時は、データや映像を見直すのか、感覚に戻るのかどちらですか?
滝川:
圧倒的に感覚です。何をしてもうまくいかない時って本当にうまくいかないし、そういう時こそすごく考えすぎちゃうんですよ。いろいろ考えすぎて悪循環になっていくのが自分でも分かるので、そうなった時は今日はこのプレーだけ意識しようというように、一つに絞ります。
中山:
なるほど。今日はこれだけは成功させると決めて、焦点を絞るわけですね。
滝川:
考えることを増やすとパンクしちゃうので、「今日はこれだけやろう」「これができればOK」と決めます。そうやって少しずつ良くなっていくのを何度も経験してきたので、今はそのやり方で切り替えています。
中山:
頭の中がいっぱいになった時に、あえて一つに絞って整理する。その結果として小さな成功体験が積み上がって、「できた!」という感覚がまた次の行動を生む。滝川さんはそうやって流れを取り戻していくスタイルなのかもしれませんね。
滝川:
まさにそんな感じです。一つできると少しずつ余裕が出てきて、自信にもつながります。単純なんですけど、「できた」って思えると、「じゃあ次はこれをしよう」って自然に思えるんです。
中山:
では、試合前夜はどのように過ごされていますか?
滝川:
試合によりますね。たとえばトーナメントの準決勝や決勝の前夜だと、いろいろ考えすぎて寝られないんですよ。目をつぶって寝なきゃと思っても、頭の中がサッカーでいっぱいになって。こうなったらこうしようと考え続けてしまって全然寝られない。気持ちが上がっちゃうんです。
中山:
リーグ戦はまた違うのでしょうか?
滝川:
リーグ戦みたいに毎週ある試合の時はスッと寝られます。1週間かけて準備しているので相手のイメージもできていて整理されているんですけど、トーナメントとなると緊張感が違って、いろいろ考えてしまいますね。
中山:
なるほど。寝られない、あるいは考えすぎてしまう際には、どのように対処されていますか?
滝川:
考えてしまう自分は分かっているので、「まあいっか」と受け入れて、翌朝「緊張して寝れなかった〜」とみんなに話します。自分の中だけで抱えるとパンクするので、周りに「吐きそう、めっちゃ緊張してる」と言って出しちゃう。そうすると周りが「大丈夫大丈夫」って返してくれたり、いじってくれたりすることで、少し落ち着くんです。

中山:
寝られない、考えてしまう自分も受け入れて、それもオープンに外に出して整えているのですね。
滝川:
そうですね。ピッチに入る頃には自然と「やるぞ」と切り替えられるので、それまでは仕方ないと割り切っています。
中山:
緊張との向き合い方についてもう少し伺いたいのですが、試合前のどのタイミングが最も緊張のピークになりますか?
滝川:
室内アップが終わってからピッチに出るまでの待ち時間が一番やばいですね。吐き気がするくらい緊張します。でもピッチに出てしまえば、スタジアムの雰囲気も相まって「やってやるぞ」という気持ちになります。
中山:
なるほど。実は人が緊張するのは、脳が“これから起こること”や“他者からの評価”を予測しているからなのです。つまり緊張は、未来や期待を想像する認知的な働きの結果とも言えます。周囲の状況や他人の期待に敏感で、それを読み取れる人ほど緊張しやすい。緊張しやすいというのは、“社会的な感度が高い”ことの表れであり、ある種の思考力の高さとも関係しているとも言えるんです。
滝川:
なるほど。そう考えると緊張しやすいのも悪いことじゃないって思えますね。
中山:
そうですね。うまく扱えると良い働きにも繋がります。ちなみに滝川さんは、緊張した時に意識して行っていることはありますか?
滝川:
昔は自信が持てなくてそれがプレーにも出てしまうことが多かったので、試合の笛が鳴る前に自分の胸を叩いて「できる、できる」と言い聞かせて自分を鼓舞していました。最近はもうやらなくなりましたけど、絶対3回言うと決めていたくらいです(笑)
中山:
なるほど。自信を取り戻すために言葉を繰り返すセルフトークを試してこられたのですね。それによる変化はあったのでしょうか?
滝川:
うーん…自分に言い聞かせることも大切ですが、リアルな部分で言うと、一番大事なのは“ファーストプレー”だと気づきました。自分の中では最初のプレーを成功させることが何より大事です。なので、今思えばこのやり方自体がすごく良いとか意味があるかと言われるとわからないですね。
中山:
言い聞かせをやってみたものの、ファーストプレーを成功させることの方が効果実感を得られたのですね。
4. “抑える”ではなく“使う”──プレーを動かす感情の正体

中山:
状態が良いとき、あるいは調子が上向いているときには、どのような思考が浮かびますか?
滝川:
調子が良い時は、さっきこういうプレーをしたから次はこうしようというアイデアが自然に出てくることがあります。いい時は何をしてもうまくいく感覚があって、いつもと違う発想も生まれてきます。自分は感覚でやることが多いので、良い時ほどあまり考えていないかもしれません。
中山:
考えすぎない部分もありつつ、自然とアイデアが湧いて“考えている状態”にも入っていくわけですね。では逆に、調子が悪いときはどんな言葉が頭に浮かびますか。
滝川:
「やんなきゃ」「こうしなきゃ」という言葉ばかりです。「キープしなきゃ」「シュート打たなきゃ」みたいに“〜しなきゃ”に囚われてしまって、そういうときはどんどん悪くなっていきます。焦りが出るとそうなってしまうことがあるので、そのような時は余裕がなくなっているのだと思います。
中山:
なるほど。“〜しなきゃ”という思考に縛られてしまう感覚になるのですね。
滝川:
そうですね。調子が良いときは、頭も体も自由な状態になっているのですが、調子が悪いときは、頭も体もガシッと固まってしまって自由に動けません。
中山:
そのような状態の時は、どのように立て直しを図るのでしょうか?
滝川:
まさに今、どう持っていけば良い方向に立て直せるのかを模索している最中で、まだ明確に見つけられているわけではありません。ただ、そのような時は「一つだけ意識しよう」と決めて、自分を解放するようにしています。頭も体もガシッと固まってしまうと自分のことしか見えなくなるので、意識して周りを見るようにして落ち着きます。あとは、自分だけでどうにかしようとするより、チームに助けてもらうほうが落ち着けますね。
中山:
なるほど。思考が詰まったときにあえて周囲に視点を戻して助けてもらおうと考えるのは面白いですね。試合の振り返りはどのようにされていますか?
滝川:
調子が良かった試合は映像を見るようにしています。
中山:
なぜでしょうか?
滝川:
良い時のイメージを植え付けるために見ています。ダメだったプレーを見たくないというのも正直あります(笑)調子が良い時のプレーを客観的に見ると、「ここはこうだから良かったんだ」「もう少しこうしたらもっと良くなるな」といったポジティブなイメージが湧くんです。
中山:
悪い時を反省するより、良い時を再現しているのですね。
滝川:
そうですね。自分でも悪かった部分は分かっているので、あえて見なくても良いかなと。それより、良い時の感覚をもう一度思い出して再現する方が自分には合っていると思います。

中山:
良い時のイメージを大切にされているのは、滝川さんらしさなのかもしれないですね。お話を伺っていると、滝川さんは感覚的なタイプでありながら、感情の起伏がある様にも感じます。そうした感情の波はプレーに影響しますか?
滝川:
自分でも“感情型”だと思いますね。プレーにどう影響するか...難しいんですけど、たとえばファウルを受けたとき、少しイラっとします。でもその瞬間に「絶対次は抜いてやる」という想いが湧いてきます。以前は「イラッとしちゃダメ」と思っていましたが、最近は感情があること自体は悪くないと思えるようになってきました。むしろ感情があるからプレーに熱がこもるし、それが自分の“らしさ”でもある。だから、感情を無理に消すのではなく「どう使うか」を意識しています。
中山:
感情を否定しない。イラつきや悔しさをエネルギーへと変換していくということですね。
滝川:
そうですそうです。プレーで見返してやろう、絶対に点を取ってやろう、という気持ちになります。
中山:
そのように考えられるようになったきっかけは何かあったのでしょうか?
滝川:
うーん…やっぱり試合での経験ですかね。若い頃は感情のコントロールが全然できなくて、ミスしたらイライラして次のプレーでまたミスしてという負のループに入っていました。でも試合を重ねるうちに、自分の感情がプレーに出ていると気づいて、そこから意識的に変えるようになりました。今でもイラッとすることはありますが、「次やろう」と切り替えられるようになってきました。
中山:
なるほど。感情を“抑える”のではなく、“うまく使う”という方向にシフトされたんですね。
滝川:
抑えると逆に苦しくなってしまうんです。我慢に我慢を重ねて、爆発してしまうみたいな(笑)一方で、自分のエンジンがかかっている時でも、相手にガシガシ来られると「落ち着け」と冷静になれる自分もいます。良くない方向に行きそうになることもまだありますが、「今は落ち着く時だ」とハッと気づいて自分で止められることが増えてきました。
中山:
その“止める”ために、具体的に何をされているのでしょうか?
滝川:
一度「落ち着け」と言い聞かせて、深呼吸をしています。
中山:
なるほど。では、今の滝川さんにとって“感情”とはどのような存在でしょうか?
滝川:
うーん…“エネルギー源”です。感情があるから頑張れるし負けたくないと思える。感情がなかったらここまで続けられていないと思います。落ち込むこともありますが、それも自分の一部で、全部含めて「今の自分」だと感じます。
中山:
エネルギー源。感情があるから動ける、ということですね。
滝川:
そうですね。なので今は、“感情に動かされる”のではなく、“感情を使う”。怒りも悔しさも、すべて自分を前に進める力にしていきたいです。
5. 代表が教えてくれたこと──そして世界へ

中山:
今後、プレーヤーとして、そして一人の人間としてどのような自分でありたいと思いますか?
滝川:
そうですね。これまではずっと“自分のため”に頑張ってきたというか、自分が上手くなりたい、自分が活躍したいという気持ちが一番にありました。でも代表に呼ばれたことで、初めて“誰かのためにプレーしたい”と思うようになったんです。日本代表のユニフォームを着て、「このチームのために」「応援してくれている人のために」と思えた瞬間があって。
中山:
“誰かのために戦う”という意識が芽生えたんですね。
滝川:
はい。代表を経験して、「日本のために」「この仲間のために」と心から思えたときに、自分の中で思考もプレーの質も変わりました。日々の練習からもっと上を意識してやらないといけないと思いましたし、もう一度代表を背負ってプレーしたいという気持ちが強くなりました。もう一度、あの舞台に立ちたいですね。
中山:
素敵ですね。そういった経験を経て、サッカーを通して“社会にどう関わっていくか”という視点も生まれてきているのではないでしょうか?
滝川:
そうですね。サッカーだけでなく、「人として何を伝えたいか」も大事だと思うようになりました。私が好きなファッションもその1つの手段ですね。
中山:
ファッションについてもご自身のSNSでも発信されていますよね。どのような想いを持って発信されているのでしょうか?
滝川:
昔からファッションが好きなんです。服ってその人の考え方や価値観が表れると思っていて。私にとっては自分らしさを表現する手段であると同時に、自分を知ってもらうきっかけでもあります。ファッションを通じて「こういう人なんだ」と感じてもらえたら、そこからサッカー選手としても興味を持ってもらえるかもしれませんし、応援してもらえるきっかけにもなると思うんです。
中山:
応援される理由は、必ずしもプレーだけではないですよね。
滝川:
本当にそう思います。たとえば試合を見たことがない人でも、「この人なんか素敵だな」「応援したいな」と思ってもらえるような存在になれたら嬉しいです。
中山:
では最後に、今後のビジョンについて伺わせてください。これからの滝川さんが目指している場所、描いている未来はどのようなものですか?
滝川:
やっぱり“世界”ですね。海外でプレーしてみたいという気持ちはずっとあります。世界の舞台で、自分がどこまで通用するのかを試したい。プレーの面だけじゃなくて、人としても、もっと成長していきたいです。
中山:
可能性をさらに広げていくという挑戦なんですね。その中で見える景色や感じることが、きっとこれからの人生にも深くつながっていくと思います。
滝川:
サッカーを通じて、もっといろんな人に「何かを感じてもらえる存在」になりたいです。
中山:
お話を伺って、滝川さんは“感情を大切にしながら、自分の思考でそれを前に進めている選手”だと感じました。ご自身の感情をしっかりと使いこなしているところが、、多くの人に勇気を与えると思います。これからの挑戦も心から楽しみにしています。本日はありがとうございました。
滝川:
ありがとうございました!

答えは、すぐには見つからないかもしれない。
それでも自分と向き合い、考え続けることが、次の一歩をつくる。
思考を解き明かす対話は続く。
『Dialog Code』——次は、誰の思考に触れようか。
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